「信用スコア」に対する意識調査 

2018年11月28日

ネットプロテクションズは、「信用スコア」に対する意識調査を実施しました。
調査の結果、個人の信用情報を点数化する「信用スコア」の認知度は20%2割程度だったものの、「信用スコア」について約3割の人が賛成しているほか、ニュースを通して存在を知る人が多い実態などが分かりました。ただ、実際に使ったことがある人の割合が少ない点においては、多くの人が利用したいと思うほど、サービス自体の数が少ないことのほか、監視社会への不安の声など「信用スコア」に対する疑念の払拭ができていないことなどが要因と考えられ、「信用スコア」の普及には、個人情報の提供可否や利用可否を個人が選択できるあり方が必須であることが分かりました。また「信用スコア」に対して、就職や犯罪の減少など、世の中の課題解決を期待する声も多く、実際の導入にあたっては、まずは社会的なメリットが多い場面での活用から進めていくことが現実的だと言えます。

【「信用スコア」概要】
「信用スコア」とは、個人が持つ様々な情報を収集し、その情報をAIが分析・点数化し、個人の社会的信用力を測るものです。その「信用スコア」に応じて、特別金利での融資の提供が受けられたり、転職時や、婚活マッチングサービスで希望が通りやすくなったりするなどのメリットがあります。世界では、中国を始め欧米などでも「信用スコア」の利用が普及しつつあり、実際にスコアリングサービスが提供されています。近年、日本でも、みずほ銀行とソフトバンクが共同出資で立ち上げた「J.Score」に続き、NTTドコモ、Yahoo!やLINEなどが参入を表明するなど注目が高まっています。

調査結果概要


  • ​約20%の人が「信用スコア」を認知しているが、男女で倍以上の開きあり
  • 「信用スコア」を知ったきっかけは過半数がニュース、知っていても実際に使ったことがある人は少数
  • 「信用スコア」を算出する情報として提供可能と考える項目のうち、年齢、職業については過半数が提供可能と回答、一方「SNSなどでの交流関係」や「現在の資産状況」の提供には消極的な人が多い
  • 全体では「信用スコア」の活用に対して反対が多い一方、男女で大きな差があり、男性の若年層の過半数は賛成
  • 賛成派は「信用スコア」によって良い社会になることを期待、反対派は監視社会のようになることを懸念
  • 「信用スコア」への期待としては、「モラルの向上や犯罪の減少」や「学歴にとらわれない就職・転職」など、現状の課題解決を望む声が多数

調査結果詳細


1.約20%の人が「信用スコア」を認知しているが、男女で倍以上の開きあり

 「様々なデータを計算し、個人の持つ信用度や可能性を数値化した『信用スコア』という言葉を聞いたことがありますか?」という質問に対しては、21%の人が「はい」と答えました。全体では、15歳-29歳の若年層は28%が「はい」と回答しており、15歳-19歳と60歳以上では倍以上の開きがありました。また、男女の比較でも、男性全体の28%が「はい」と回答しており、女性全体と倍以上の開きがあるという結果になりました。
 「信用スコア」に対する認知度に男女や年代で大きな開きがあるのは、仕事やインターネットで情報に触れる機会が多いからかと推測できます。

2.「信用スコア」を知ったきっかけは過半数がニュース、知っていても実際に使ったことがある人は少数

「Q1で「はい」と答えた「信用スコア」という言葉を聞いたことがある人へ「信用スコア」を知ったきっかけを質問したところ、「信用スコア」に関するニュースを目にしたことがきっかけとなった人が圧倒的で57%もいる一方、実際に利用したことがある人は15%程度という結果になりました。また、その他では「授業で習った」や「Youtubeで見た」などの回答がありました。
 「信用スコア」をニュースなどで存在は知っているが、実際に使ったことがある人の割合が少ないのは、多くの人が利用したいと思うほど、サービス自体の数が少ないことや、「信用スコア」に対する疑念の払拭ができていないためと考えられます。(サービスや疑念については、後述のQ5及びQ6にて調査)

3. 「信用スコア」を算出する情報として提供可能と考える項目のうち、年齢、職業については過半数が提供可能と回答、一方「SNSなどでの交流関係」や「現在の資産状況」の提供には消極的な人が多い

信用スコアを算出する上で、提供可能な項目を質問したところ、「年齢(67%)」や「学歴(45%)」、「職業(52%)」が提供可能との回答が多い一方で、SNSでの交流関係(14%)や現在の資産状況(18%)については提供可能と回答する人が少なく、消極的な傾向が見てとれました。その他では「個人情報は何も提供したくない」という声もありました。

「信用スコア」のために提供可能と考える項目で、年齢や学歴、職業などの提供をためらう人が少ない理由としては、年齢や学歴、職業は、これまで個人を説明する情報として社会的に提示する機会が多かったことから、開示に対して心理的ハードルが低いのだと考えられます。それに対して、SNSなどでの交流関係の提供や現在の資産状況の開示に抵抗を示す人が多いのは、自分だけでなく周囲の人間との関係性までも監視されていると感じたり、資産状況の開示により利便性を感じる機会が乏しく、むしろ不利益を被る可能性があるのではないかと懸念したりするためと考えられます。

4.全体では「信用スコア」の活用に対して反対が多い一方、男女で大きな差があり、男性の若年層の過半数は賛成

全体では36%が「信用スコアの普及について」賛成と答えたが、年代・性別では倍以上の差があり、全体の15-19歳は58%が、20-29歳は43%が賛成と回答しています。また、男性の39歳以下は過半数が賛成と回答し、男女の差が明確に出る結果となりました。

5.賛成派は「信用スコア」によって良い社会になることを期待

信用スコアの普及について「賛成」の理由として、「真面目に生きている人が評価される社会になるのはいいことだから(51%)」が最多の結果となり、次いで「高いスコアであれば様々な優遇を受けられそうだから(38%)」という結果でした。その他では「今後の世の中は情報開示が求められる時代に変わって行くと思うから」や「当たり前のことを当たり前にできている人の評価が上がるから」という回答などがありました。

「信用スコア」の普及に賛成の人の理由を見ると、個人的なメリットよりも、社会全体に与える良い影響に対して賛成と答えている人が過半数を超えています。「信用スコア」の活用において「より良い社会になる」ことを特に期待している実態が分かります。

6.反対派は監視社会のようになることを懸念

信用スコアの普及について「反対」の理由として、過半数の人が「個人情報を共有することに抵抗があるから(51%)」と回答するほか、「監視されているようで気持ちが悪いから(47%)」が続きました。その他では「スコアに応じてサービスが変わるのは不平等に感じるから」や「信用スコアのことを知らないから」という回答が得られました。
このことから、日本において「信用スコア」が普及する際には、欧州で施行されたGDPR*に代表されるように、個人情報の提供可否や利用可否を個人が選択できるあり方が重要視されると考えられます。
*GDPRとは欧州で個人データの取得や利用に関して、個人が選択できるよう、企業に様々な規制を規定した法律のこと

7. 「信用スコア」への期待としては、「モラルの向上や犯罪の減少」や「学歴にとらわれない就職・転職」など、現状の課題解決を望む声が多数

「『信用スコア』に期待することとして「モラルの向上や犯罪の減少(31%)」、「学歴にとらわれない就職・転職(31%)」、「特別価格にて商品購入やサービス利用、クーポン取得が可能(29%)」などに多くの回答が集まりました。また、その他では「相手の事をある程度始めから知る事が出来る安心感」という回答が得られました。

以上の結果より、就職や、犯罪の減少など今現在多くの人が感じている世の中の課題解決を望む声が多い一方で、それだけでなく、クーポン取得などの短期的なメリットへ期待する人も多いことが分かります。
実際LINEが発表した「LINE Score」は、消費者が短期的にメリットを感じられる個人向けローンサービスの提供を予定しています。
日本においては、「信用スコア」は世の中の課題解決に寄与するものであるという認知獲得のもと、消費者が短期的なメリットを感じられるようなサービスを提供することで「信用スコア」が受け入れられやすくなると考えられます。

ネットプロテクションズ調べ

調査概要


■調査名:「信用スコア」に対する意識調査
■調査方法:当社独自のインターネット調査
■調査期間:2018年9月26日~9月30日
■調査対象:全国の男女720名(男女360人ずつ、15-19歳、20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60歳以上の区分ごとに120人ずつ)

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