「妻の家事ハラ」に対する実態調査 

2014年07月14日
旭化成ホームズの共働き家族のよりよい暮らしの有り方を長期的・継続的に調査・研究している旭化成ホームズ「共働き家族研究所」は、30代~40代の共働き・子育て夫婦を対象に「妻の家事ハラ」に対する実態調査を実施。

【調査の背景】

共働き世帯は既に1,000万世帯を超え、若い世帯を中心にさらに拡大しています。それに伴い、夫の家事参加率も高まりを見せていますが、その一方で、家事に不慣れな夫が行う家事に対し、妻が不用意にダメ出しをしてしまうといった行為が、夫の家事協力を妨げてしまっているという逆転現象も発生しているようです。
「共働き家族研究所」では、この夫の家事協力に対する妻のダメ出し行為を、「妻の家事ハラ」と定義し、当事者へのアンケート調査によりその実態に迫りました。今回の調査では、共働き夫婦における現在の「夫の家事」参加率、「妻の家事ハラ」経験率を確認した他、夫の家事協力に対する夫・妻それぞれの評価や、具体的な「妻の家事ハラ」の内容、さらに夫が「妻の家事ハラ」を受けた時の心情など、さまざまな視点での結果をまとめた。

【主な調査結果・主旨】

<調査1:「夫の家事」参加率と「妻の家事ハラ」経験率>
1)子育て中の共働き夫婦における、夫の家事参加率は9割超 (93.4%)
2)「妻の家事ハラ」を受けた経験を持つ夫は約7割(65.9%)
3)「妻の家事ハラ」を経験している夫婦でも、8割以上(82.2%)は「仲が良い」と回答

<調査2:「妻の家事ハラ」に関する実態>
4)「妻の家事ハラ」発生率が高い家事は「食器洗い」と「洗濯物を干す」
5)夫が受けた「妻の家事ハラ」の内容1位は「やり方が違う!」と指摘を受けた(42.6%
  妻がしてしまった「家事ハラ」の内容1位は「やり方が雑!」と指摘した(40.1%)
6)妻が査定する「夫の家事」の時給=804円 VS. 夫の自己査定=1,008円
7)「妻の家事ハラ」を受けた時の、夫のやる気が無くなる率は約9割(89.6%)
8)夫の家事参加意欲向上のために、妻が心掛けていること1位は「ありがとう」と言う(70.2%)

【調査結果】

<調査1:「夫の家事」参加率と「妻の家事ハラ」経験率>

(1) 子育て中の共働き夫婦における、夫の家事参加率は 9 割超 (93.4%)

共働き夫婦が増加していく中、夫の家事参加率はどの程度まで高まっているのでしょうか。全国 30 代~40 代、末子が 6 歳以下(未就学)、妻が 1 日 8 時間以上(フルタイム)仕事をしている共働き夫婦に、夫が自宅で家事を手伝ったことがあるかどうかを聞いてみたところ、「ある」の回答が全体の 93.4%と、9 割を超えました。その内訳は「よく手伝う」が 47.2%、「たまに手伝う」が 46.2%となり、約半数の夫は日常的に家事参加をしていることがわかりました。

(2) 「妻の家事ハラ」を受けた経験を持つ夫は約7割(65.9%)

夫が家事参加をしている共働き夫婦のうち、どの程度が「妻の家事ハラ」を経験しているのでしょうか。夫に聞いてみたところ、妻から「家事ハラ」を受けたことが「ある」と回答した夫は 65.9%と約 7 割。回答の内訳を見てみると、「必ずある(8.0%)」と「よくある(15.8%)」を合計した、高頻度経験者が全体の 23.8%、「たまにある」が 29.7%、「1 度くらいはある」は 12.4%となりました。この結果から共働き夫婦の中で、「妻の家事ハラ」が存在していることが確認されました。

(3) 「妻の家事ハラ」を経験している夫婦でも、8割以上(82.2%)は「仲が良い」と回答

「妻の家事ハラ」を経験したことがある夫婦に「夫婦仲」を夫と妻それぞれに聞いてみたところ、夫は「とても仲が良い」が全体の 17.6%、「どちらかと言えば仲が良い」が 64.6%と全体の 82.2%が「仲が良い」と回答。妻も「とても仲が良い」が26.8%、「どちらかと言えば仲が良い」が58.0%と、全体の84.8%が「仲が良い」と回答しました。この傾向は年代別(30代、40 代)で比較してもほぼ同様の傾向で、「妻の家事ハラ」が必ずしも、夫婦の仲に決定的な影響を及ぼしている訳ではないことが確認されました。

<調査2:「妻の家事ハラ」に関する実態>

(4) 「妻の家事ハラ」発生率が高い家事は「食器洗い」と「洗濯物を干す」

「妻の家事ハラ」が発生しやすい家事とは、いったいどのようなものでしょうか。夫には「妻の家事ハラ」を受けたことがある家事の内容を、妻には夫に「家事ハラ」をしてしまったことがある家事の内容をそれぞれ聞いてみたところ、夫・妻共に 1 位は「食器洗い(夫=50.8%、妻=39.0%)」、2 位は「洗濯物を干す(夫=35.4%、妻=38.3%)」と同様の順位となりました。「妻の家事ハラ」が発生している家事ジャンルは、夫・妻共に共通の家事に多いことがわかりました。

(5) 夫が受けた「妻の家事ハラ」の内容1位は「やり方が違う!」と指摘を受けた(42.6%)
    妻がしてしまった「家事ハラ」の内容1位は「やり方が雑!」と指摘した(40.1%)


「妻の家事ハラ」が発生しやすい家事の内容が確認されましたが、「妻の家事ハラ」の具体的な内容とはどのようなものでしょうか。夫には受けたことがある「妻の家事ハラ」の内容を、妻には夫にしてしまったことがある「家事ハラ」の内容をそれぞれ聞いてみたところ、夫の 1 位は「やり方が(妻のルールや手順)と違う!と指摘を受けた(42.6%)」、2 位は「やり方が雑、ちゃんとしていない!と指摘を受けた(39.8%)」、3 位は「やり方が下手!と指摘を受けた(26.3%)」という結果となりました。一方、妻の回答 1 位は、「やり方が雑、ちゃんとしていない!と指摘をしてしまった(40.1%)」、2 位は「やり方が(妻のルールや手順)と違う!と指摘をしてしまった(36.2%)」と、1 位と 2 位の順位が入れ替わったものの、夫と同様の回答、3 位には「不経済(使いすぎ、余計である等)と指摘をしてしまった(30.7%)」がランクインしました。この結果から、妻が日常的にこなしている家事のやり方やクオリティ、ノウハウを、夫が守ってなかったり、無視してしまっていることに起因して、「妻の家事ハラ」が発生している様子がうかがえます。

(6) 妻が査定する「夫の家事」の時給=804円 VS. 夫の自己査定=1,008円

「夫の家事」に対して、夫・妻それぞれどのように評価をしているのでしょうか。「夫の家事」を時給で換算し、評価をしてもらったところ夫の査定平均は 1,008 円だったのに対し、妻の平均査定は夫よりも 200 円以上安い 804 円という結果となりました。夫の自己評価よりも妻の評価は低いことが確認されました。

(7) 「妻の家事ハラ」を受けた時の、夫のやる気が無くなる率は約9割(89.6%)

「妻の家事ハラ」を受けた時の夫の心情は、どのようなものでしょうか。夫には「妻の家事ハラ」を受けた時の心情を、妻には夫に「家事ハラ」をした時の夫の心情を想定し、やる気が上がったか、無くなったかを 4 段階評価で回答してもらったところ、夫は「少しやる気が無くなった」が 50.6%、「まったくやる気が無くなった」が 39.0%と、全体の約 9 割に該当する89.6%が、「妻の家事ハラ」によってやる気を無くしていることが確認されました。妻の回答も同様の傾向となりましたが、「少しやる気が無くなった」が 63.6%、「まったくやる気が無くなった」が 22.0%と、「まったくやる気が無くなった」の回答では、夫の方が 17 ポイントも高く、「家事ハラ」をした妻よりも、された夫の心情的なダメージが深いことがわかります。

(8) 夫の家事参加意欲向上のために、妻が心掛けていること1位は「ありがとう」と言う(70.2%)

妻が夫の家事参加意欲向上のために心掛けていることを聞いてみたところ、ダントツの 1 位は「ありがとうと言う」で実に7 割以上(70.2%)の回答を集めました。2 位以降は「やってくれたことを純粋に褒める(34.2%)」、3 位「疲れているのにゴメンね、と夫を気遣いながら頼む(24.6%)」、4 位「二人とも同時に家事をするように役割分担する(23.5%)」、5 位「さすが!やすごい!など感嘆の表現で褒める(22.9%)」と続きました。言葉で感謝の意思を伝えたり、相手を気遣ったうえでお願いをすることが、夫の家事参加意欲に好影響を与えることを、妻がしっかり理解していることがわかりました。


【調査概要】
調査方法 :インターネット調査
実査期間 :2014 年 6 月 20 日(金)~23 日(月)
調査対象/回答者数
・調査 1:「夫の家事」参加率と「妻の家事ハラ」経験率
 全国 30 代~40 代、子育て中(末子 6 歳以下)、共働き夫婦(妻がフルタイム勤務)/1,371 名
・調査 2:「妻の家事ハラ」に関する実態:
 対象者 1:調査1の回答者で、「妻の家事ハラ」を経験したことがある夫/472 名
 対象者 2:調査1の回答者で、夫に「家事ハラ」をしてしまったことがある妻/459 名

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