キッチン白書2020(同居家族がいる20~60代の既婚女性対象) 

2020年03月26日

クリナップのおいしい暮らし研究所では、「キッチンから見た生活者の“いま”」を紐解くべく、食・物・空間の変化を3年ごとに調査・分析したものを『キッチン白書』として発表しています。今回はキッチン空間に保有される調理器具類、食器類の変化を中心に調査。2011年、2016年と比較し、全年代でほぼすべてのアイテム保有率が低下していることがわかりました。

調査結果サマリー


①調理器具は約2.5割、食器類は約4割減少

キッチン空間で保有されている調理器具類の平均保有点数は調査開始を開始した8年前(2011年)と比較し、調理器具類は約2.5割、食器類は約4割減少。

②茶柱占いは遠き昔…。急須でお茶を淹れる習慣は減少?

食器類の中では特に「急須」「湯呑」の保有率が大きく低下。年代別では特に20-40代での低下が著しい。ペットボトル飲料の普及などにより、自宅でお茶を淹れる習慣が薄れている様子がうかがえる。

③調理器具は合理化傾向。食器類の減少は献立変化の影響か?

調理器具では、使用用途が限られるものの保有率低下が顕著。食器類では改まった場で必要なもの、使用するシーンが限られるアイテムの低下が目立つ。

また、全体的な食器類の保有率低下は、『キッチン白書2019献立編』で見えた「和食が減り一品料理で食事となる献立への変化」との関連も推測される。

調査結果


キッチン空間の収納過不足感について
-キッチン収納の「余裕感」若年層で増加
  • 2019年:年代が上がるほど、キッチン空間の収納が「かなり余裕がある」「少し余裕がある」と回答している人の割合が低くなるが、50代を底に60代で高くなる。
  • 時系列推移:20代、30代では、キッチン空間の収納に余裕があると感じている人の割合が増加している。また、60代ではキッチン空間の収納がちょうど良いと感じている人の割合が増加している。
キッチン空間のアイテムについて
調理器具、食器の断捨離が加速か?
  • キッチン空間で保有される調理器具類の平均保有点数※の合計は、調査開始の8年前より約2割減り、食器類に関しては、約4割減っている。
キッチン空間のアイテムについて
-使用用途が限られる調理器具は減少傾向
  • ほぼすべての調理器具類で保有率※が低下しているが、特に「泡立て器(電気・手動)」「缶切り・栓抜き・コルク抜き」といった使用用途が限られている調理器具類の保有率の低下が目立ち、どちらも2011年調査より全体で2割以上低下している。
  • 年代別に見ると、全年代で保有率が低下しているが、20代、30代では2011年調査より2割以上低下しており、特に若年層における低下が⼤きい。
キッチン空間のアイテムについて
-急須でお茶を淹れて飲む習慣は減少か?
  • 調理器具類同様、ほぼすべての食器類で保有率が低下。特に、「湯呑」「急須」の保有率の低下が目立ち、どちらも全体で2011年調査より2割以上低下している。
  • 年代別に見ると、20代、30代、40代の若年層で低下が目立つ。ペットボトル飲料の普及などの影響により、自宅でお茶を淹れる習慣が薄れているのかもしれない。
キッチン空間のアイテムについて
-使用シーンが限られる食器は減少傾向
  • また、「お盆・トレイ」「ナイフ」の保有率が2011年調査より約2割低下しており、改まった場で必要な物など、使用するシーンが限られるアイテムの低下が目立つ。
  • 年代別に見ると、20代、30代、40代の若年層で低下が目立ち、生活スタイルの変化が伺える。
キッチン空間のアイテムについて
-お弁当関連、食卓を楽しむアイテムは子の巣立ちと共に断捨離か?
  • 子供が別居してからの経過年数に伴い、「⽟子焼き器」「弁当箱」といったお弁当関連のアイテムの保有率が低下している。また、「ホットプレート」「ホットサンド」といった食卓や料理を楽しむための調理家電類の保有率も低下している。何れも、子供が巣立ってからの時間が経つほど断捨離される傾向にある。
年代別アイテムや空間に対する意識について
-若年層ほどシンプル、年代が上がるほどこだわりが強くなる傾向
  • 「食器・調理器具などは必要最小限を心掛けている」「食器は形・色・デザインがシンプルな物を持っている」に対し、若年層ほどあてはまると回答する人の割合が高くなり、シンプルな物の持ち方を心掛けている。
  • 一方、年代が上がるほど「調理器具・家電にはブランド・デザイン・使いやすさにこだわりを持って選んでいる」「キッチン空間のデザインやセンスにはこだわりを持っている」に対し、あてはまると回答する人の割合が高くなり、アイテムや空間に対してこだわっている。このことから、年代によって物の持ち⽅に対する意識が対照的な様子が伺える。
年代別料理・家事に対する意識について
-若年層ほど強まる家事・料理の省手間意識
  • 「家事は、手間をかけないよう工夫している」「キッチンが汚れる料理はしない」に対し、若年層ほど、あてはまると回答する人の割合が高くなり、家事の手間を省く工夫をしている様子。
  • また、「カット野菜・ミールキット・レトルト・惣菜加工食品等を活用している」に対しても若年層ほど、あてはまると回答する人の割合が高くなり、加工食品などを上手く活用することで料理の手間を省いている様子が伺える。
年代別理想のキッチンについて
-20代は収納量、60代は出し⼊れのしやすさを重視
  • 「収納スペースが多いキッチン」「必要なものにすぐ手が届くキッチン」を理想としている割合はどちらも全体が6割以上と収納に対する関心が強い。
  • 特に20代は「収納スペースが多いキッチン」を理想としている割合が全体より7pt以上高く、他の年代よりもキッチン空間の収納の多さにこだわっている様子。一方60代は「必要なものにすぐ手が届くキッチン」を理想としている割合が全体より5pt以上高く、他の年代よりも物の出し⼊れのしやすさにこだわっている様子。このことから、キッチン空間に求められる収納の在り方の違いが年代によって見受けられる。

調査概要


■実施期間:2019年6月13~16日
■調査地域:全国
■調査対象:同居家族がいる20~60代の既婚女性
(離死別除く、居住年数およびキッチンリフォーム後1年以内を除く)
■回答者数:1,518名
■調査方法:インターネットによるアンケート
※同条件にて、2011年(回答者数:1,500名)、2016年(回答者数:1,484名)にも調査を実施

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[クリナップ]
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