「冬のボーナス」に関する調査2014年 

2014年12月01日
カカクコムが運営する購買支援サイト『価格.com(カカクドットコム) 』はユーザーへの意識調査、第81回「冬のボーナス2014-増えた?減った?気になるみんなのボーナス事情-」を実施した。

【調査結果ダイジェスト】

●冬のボーナス推定平均支給額は「58.5万円」、前年比1.4万円(2.5%)増

●「自由に使える金額」微増も、商品・サービス購入意向は-6.5ポイントと大きく減退

●金額ベースの使い道上位は、「貯金」、「ローン返済」、「新規ローン」

●消費者の購買意欲停滞で、冬のボーナス商戦は苦戦が予想される

●推定平均支給額:58.5万円(前年比2.5%増)。昨冬、今夏に続き3期連続の増加。40代が増加(3.5%)する一方、30代、50代以上は前年比マイナスに

●業種・企業規模別:「金融業」「公益法人・財団法人」「ソフトウェア・情報サービス業」が大きく伸び、「サービス業」が大きくダウン。アベノミクスの恩恵に差異?

●自由に使える金額:ボーナス支給額の比較的多い人たちで増加。若年層中心に自由に使える金額は増加傾向で、満足度もわずかに向上

●使い道:「商品・サービスの購入」は、6.5ポイントの大幅減と冬のボーナス商戦に暗い影。一方で、金融商品の新規購入意向が増加

●購入予定の商品:全体的に例年同様「洋服・ファッション関連」(18.1%)がトップも、全体的には消費者の購入意欲は停滞気味。家電製品では、「調理家電」「薄型テレビ」「エアコン」などが比較的堅調か


【調査結果】

冬のボーナス推定支給額:平均58.5万円(前年比2.5%増)。アベノミクス効果か、昨冬、今夏に続き3期連続の増加

2014年冬のボーナス推定支給額は、全体平均で58.5万円となり、昨年よりも1.4万円(2.5%)のプラスとなった。昨年調査時は3.8%の増加であり、今年の夏のボーナスも2.6%の増加だったので、価格.comリサーチのボーナス調査としては、3期連続の増加ということになる。いわゆる「アベノミクス」の影響がじわじわと浸透している結果と言えるかもしれない。

年代別: 40代が増加(3.5%)する一方、30代、50代以上は前年比マイナス

全体平均は上昇傾向とはいえ、すべての年代、業種で増加しているわけではない。年代別では、もっとも回答者が多い働き盛りの40代が、前年比で3.5%増加したのが全体の数値を押し上げる結果となっているが、逆に、30代、50代、60歳以上では前年比マイナスになっている。

業種別:「金融業」「公益法人・財団法人」「ソフトウェア・情報サービス業」が大きく伸び、「サービス業」が大きくダウン

また、業種別では、「医療業」と「サービス業」が前年比マイナスとなっており、特に「サービス業」では、前年比-10.8%という大幅な下げとなっている。大きく上げたのは、「金融業」と「公益法人・財団法人」、「ソフトウェア・情報サービス業」であるが、アベノミクス効果で期待される「製造業」については、3.8%の微増にとどまった。

自由に使える金額:「30~50万円未満」9.9%(前年比1.5ポイント増)、「50~100万円未満」6.6%(1.4ポイント増)と、ボーナス支給額の比較的多い人たちの金額が増加

支給される予定のボーナスのうち、必要経費として引かれる、「ローン返済」、「生活費補填」、「ボーナス一括払い」などの費用を除いた、自由に使える金額を聞いた。

もっとも多かった金額レンジは、「5~10万円未満」で全体の20%。次いで「10~20万円未満」(12.7%)と、「3~5万円未満」(12.6%)と続く。これは昨年の傾向とほぼ変わらない。むしろ増加しているのは、それよりも上の金額レンジである。「30~50万円未満」の合計では、昨年の8.4%から1.5ポイント増加した9.9%になっており、「50~100万円未満」の合計も、昨年の5.2%から1.4ポイント増加した6.6%になっている。割合自体は少ないが、ボーナス支給額が比較的多い人の中では、自由に使える金額も若干増えているようだ。

「自由に使える金額」に対する実感:「増えている」「やや増えている」前年比1.0ポイント増加、「減っている」「やや減っている」3.2ポイント減少。

上記の設問に関連して、支給される予定のボーナスのうち、自由に使える金額に関して、増えているか、減っているかを聞いた。この結果、「増えている」「やや増えている」の合計は11.2%で、昨年の10.2%から1.0ポイント上昇した。また、「減っている」「やや減っている」の合計は35.8%で、昨年の39.0%から3.2ポイントほど減少している。これらを総合してみても、全体的に、ボーナスのうち自由に使える金額はわずかながら増加しつつあることがわかる。
「増えている」としたのは若年層ほど多く、「減っている」としたのは高年齢ほど多い。このあたりの傾向は毎年同じなのだが、昨年と比べると、60歳以上の世代を除いては、「増えている」が全体的に増加し、「減っている」が全体的に減少している。

ボーナス一括払いの利用状況:8割以上が利用せず。昨年とほぼ変わらず

この冬のボーナスで、クレジットカードなどの「ボーナス一括払い」を利用しているかどうかを聞いた。結果としては16.9%の人が「ボーナス一括払い」を使っており、昨年比では0.5ポイントマイナスとほぼ同水準という結果だった。

ボーナスの使い道と平均消費金額:「商品・サービスの購入」は、6.5ポイントの大幅減と冬のボーナス商戦に暗い影。一方で、金融商品の新規購入意向が増加

この冬支給予定のボーナスの大まかな使い道を聞いた。なお、今回の調査から新たに「引越し」と「新しくローンを組む」という項目を付け加えている。

まず、割合ごとに見ていくと、いつもながら「貯金」が68.3%ともっとも多く、次いで「商品・サービスの購入」(64.5%)となっている。ただし、昨年結果と比べると、「貯金」の割合は2.5ポイント減少し、「商品・サービスの購入」の割合は6.5ポイント減少するなど、いずれも割合自体は減っている。特に「商品・サービスの購入」の落ち込みが激しく、この冬のボーナス商戦の盛り上がりに暗い影を落としている。

次に、金額ベースで見てみると、もっとも多かったのは、新項目の「新しくローンを組む」で207,273円となった。ローンにもさまざまあるが、下記の設問結果を見てもわかるように、その大半は、住宅や車など、比較的高額な商品を購入するための頭金としての利用だ。消費税の税率アップ問題が話題となっているが、それを見越して、高額な商品を今購入しておこうという消費者マインドが現れた結果かもしれない。

その他、金額ベースで多いのは、「貯金」の204,258円や、「既存ローンの返済」の191,173円、「金融商品の購入など」の176,545円、「旅行・外出をする(海外)」の165,946円など。いずれの項目も、昨年調査よりも金額が増加傾向にあり、特に「金融商品の購入など」は昨年の149,957円よりも26,588円も増加している。上の設問で見たように、ボーナスのうち自由に使える金額が若干増えたことで、株式や外貨預金などの金融商品に投資する額が増えているとも言えそうだ。

なお、冬のボーナス商戦に影響を与える「商品・サービスの購入」については、金額ベースで71,625円と、昨年の73,872円から比べても微減している。自由に使える金額は増加しても、一般商材の買い物にかけるお金はなかなか増えていないという現状が垣間見える結果だ。

冬のボーナスで購入したいもの:例年同様「洋服・ファッション関連」(18.1%)がトップも、全体的には消費者の購入意欲は停滞気味。家電製品では、「調理家電」「薄型テレビ」「エアコン」などが比較的堅調か

この冬のボーナスで購入を予定している商品のジャンルを聞いた。

いつもながら、トップは「洋服・ファッション関連」で18.1%。こちらは昨年の15.6%から2.5ポイント増加しており、相変わらずの強さを見せた。しかしながら、この項目を除くと、ほかの項目はすべて10%未満の数字となっており、突出して人気の商品ジャンルがないという結果が見て取れる。こうした、「特に買いたいものがない」という消費者マインドは、これから訪れる冬のボーナス商戦に大きな影響を与えそうだ。

そんな全体的に冷え込んでいる消費者の購買意欲の中でも、比較的購入の意欲が上がっているのは、「本・雑誌・漫画」(9.9%・3.3ポイント↑)、「調理家電」(6.2%・0.7ポイント↑)、「薄型テレビ」(5.9%・1.0ポイント↑)、「時計・アクセサリー・ブランド品」(5.4%・0.5ポイント↑)、「オーディオ機器・ホームシアターセット」(3.5%・0.9ポイント↑)、「エアコン」(3.4%・1.2ポイント↑)など。家電製品関係では、ここ数年人気が高まってきている「調理家電」と、4Kテレビがだいぶ購入しやすくなってきた「薄型テレビ」、電気料金の値上げなどから買い換え需要が高まりつつある「エアコン」などが、比較的堅調な動きとなりそうだ。

逆に、これまで比較的高い人気を保ってきた「タブレット端末」は7.6%で、昨年比で3.2ポイントのマイナス、昨年はWindows XPからの買い換え需要で比較的好調だった「ノートパソコン」も7.2%で、昨年比0.9ポイントのマイナスとなった。昨年は好調だったパソコン関連製品だが、今年のボーナス商戦では厳しい戦いを強いられそうだ。


【調査概要】
調査エリア:全国 調査対象:価格.comID 登録ユーザー
調査方法:価格.comサイトでのWebアンケート調査 回答者数:3,235人
男女比率:男92.6%:女7.4%
調査期間:2014年11月7日~2013年11月13日
調査実施機関:株式会社カカクコム
※四捨五入による端数処理のため、合計が100%にならないことがあります。

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