歯磨き粉カテゴリの購入理由分析(2015年1月1日~4月30日) 

2015年05月26日
フィールドマーケティング支援サービスを提供するソフトブレーン・フィールドは、クレディセゾンとの共同事業である「Point of Buy(R)購買理由データ」で収集したデータをもとに歯磨き粉カテゴリの購入理由を分析。
本リリースでの分析対象期間は2015年1月1日~4月30日の4ヶ月間。期間中に歯磨き粉を購入した事を証明する4,461のレシートデータ(男性n=1,476、女性n=2,985、20代以下5%、30代27%、40代37%、50代22%、60代以上9%)をもとに分析しました。

【調査結果】

■購入金額ランキング1位は「グラクソ・スミスクライン シュミテクト ハミガキ」

レシートに記載された歯磨き粉の購入金額から算出した購入金額ランキングの1位は「グラクソ・スミスクライン シュミテクトハミガキ」で、期間中の歯磨き粉カテゴリの購入金額におけるシェアは10.0%でした。2位は「サンスター GUM デンタルペースト」で7.6%、3位は「ライオン クリニカ ハミガキ」で5.4%、4位は「花王 クリアクリーン」で4.9%、5位は「ライオン デンター クリアMAX」で4.4%でした。

■「シュミテクト ハミガキ」は価格以外の価値が購入者に支持

歯磨き粉カテゴリの購入金額ランキング上位10ブランドを、購入個数と平均購入単価の二軸で見ると、価格が100円台の商品が最も個数が多い一方、購入金額シェアにおいては平均購入単価が200円~500円台の商品が上位に来ていることがわかりました。
具体的には、「シュミテクト ハミガキ」、「GUM デンタルペースト」はそれぞれ平均購入単価が約518円、298円と金額的にはけして安くないにもかかわらず、個数においても、それぞれ10ブランド中5位、4位となっており、価格以外の要素が購入につながっている様子がうかがえました。実際、2ブランドの購入理由を見ると、「歯周病予防のため」という「機能性に関する購入理由」が「シュミテクト ハミガキ」では32.3%、「GUM デンタルペースト」では32.8%と、全体の数字(12.9%)より高い結果となりました。

■世代ごとに歯磨き粉に求める機能・価値は変化

購入金額ランキング上位10ブランドについて、各世代における購入金額のシェアを見ると、「シュミテクト ハミガキ」と「GUM デンタルペースト」は、年代が上がるのに比例して購入金額シェアが上がる傾向が見られました。
また、「サンギ アパガード」や「サンスター Ora2 ステインクリア ペースト」では20代をピークに、年齢が下がるに連れシェアが低くなる傾向が見られました。
実際、各年代の歯磨き粉の購入理由を見ると、20代では「ホワイトニング効果に期待」との理由が全体の購入理由(6.1%)より高い11.1%となっており、これが「アパガード」や「Ora2 ステインクリア ペースト」のシェアの高さにつながっていると推測されます。
一方、「歯周病予防のため」を購入理由として挙げた方の比率は年齢が上がるごとに高くなっており、特に50代、60代以上では全体(12.9%)より高い17.2%(50代)、23.2%(60代以上)となっており、こうした年齢とともに高まる「歯周病予防意識」が「シュミテクト ハミガキ」や「GUM デンタルペースト」の購入につながっていると言えそうです。

■上位2ブランドのトライアルユーザーの購入理由は「機能性」

購入金額上位ブランドの購入者の購入経験をこれまで1度も購入したことがない「トライアルユーザー」、過去に何度か購入したことのある「ライトユーザー」、毎回その商品を購入している「ヘビーユーザー」に分けて、それぞれの比率を見たところ、「シュミテクト ハミガキ」ではヘビーユーザーが52.7%、「GUM デンタルペースト」では57.7%を占め、購入者の2人に1人がヘビーユーザーであることがわかりました。
一方、トライアルユーザーの比率は各ブランドも6%~12%程度でした。歯磨き粉は口の中に入れるものですので、なかなかトライアル購入につながりにくいと言えそうです。
その中で、実際にトライアルユーザーがどのような理由で購入したのかを見ていくと、「シュミテクト ハミガキ」では「歯周病予防のため」が38.7%となっており、歯周病が気になり、トライアル購入につながっている様子がうかがえました。また、「POP等の販促物を見て」(22.6%)、「パッケージに惹かれた」(12.9%)といったように店頭で商品を見て、購入を決めた様子や、「知覚過敏対応だったから」(19.4%)、「ホワイトニング効果に期待」(16.1%)といったように歯周病以外の機能性への期待が見られた他、「歯科医推奨品だから」(12.9%)という理由もありました。
具体的なコメントを見ても「ホワイトニング効果がありそうだし、歯科医で試供品としてもらったことがあるので、効果が期待できそうだと思ったので初めて購入してみました。」(30代女性)、「知覚過敏がひどく歯科医にこの商品のサンプルを頂き、試してみたところ良かったので購入に至りました。」(40代女性)といったように、歯科医で試供品をもらい、その効果に満足して、実際に購入したといった方の意見がありました。

「GUM デンタルペースト」についても「歯周病予防のため」が40.0%となっており、具体的な購入理由でも「主人用の歯磨き粉のストックがなかったのでお店で何にしようか探した。GUMは歯周病予防という点で主人に合うと思い購入を決めました。」(30代女性)というように歯周病というキーワードに触れているコメントが多く、「歯周病菌とたたかうサンスターG・U・M」というブランディングが成功していると言えそうです。

一方、「クリニカ ハミガキ」や「クリアクリーン」、「デンタークリアMAX」については、「他の商品に比べてお手頃だった」(クリニカ ハミガキ33.3%、クリアクリーン42.3%、デンタークリアMAX50.0%)との回答が3割から5割を占めており、他の商品と価格の比較検討をした上でトライアル購入につながっていることが推測されました。

歯磨き粉カテゴリの購入理由を見ると、全体では、いつも購入している商品や家族がお気に入りのアイテムといったように過去に使用したことのある商品の店頭価格が「いつもより安い」タイミングでストックとして購入されている様子がうかがえました。
一方で、「シュミテクト ハミガキ」や「GUM デンタルペースト」などの購入金額上位のブランドでは、「歯周病予防」に期待する購入理由を挙げる方が多く見られました。口の中というデリケートな部位をケアする商品ですので、オーラルケアに関する具体的な機能について訴求することで、実際に悩まれている方の「試し買い」につながると言えそうです。

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