家事分担に関する意識・実態調査(20~50歳代共働きの夫婦対象) 

2016年10月06日
ライオンは、妻の家事負担軽減を阻害する要因を探るために、共働きの夫婦に「家事分担に関する意識・実態調査」を実施しました。

その結果、夫の家事分担割合について、夫と妻それぞれに尋ねたところ、夫は自己申告で「34%」としているのに対し、妻は「21%」と夫の申告に対し6割程度にしか認識していませんでした。また、夫がやっている家事に対する認識の違いは、特に「食事の後片付け」において大きく、夫と妻とではやり方が違っていることが原因となっていました。そして今後、「分担する家事を増やしてもよい」と考える夫の割合は13%ですが、自分の家事について妻から高く評価されている夫では23%と、分担する家事を増やす意向が高くなっていました。

 夫の家事参加を促進するためには、長時間労働を見直し、家事に使う時間を確保することに加え、家事のやり方・やりがいを夫婦間で共有化し「家事ギャップ」を解消することが必要であると推察されます。

<調査結果の概要>

■夫は自分の家事分担割合を34%と考えているのに対し、妻の認識は21%に留まっていた。夫の自己申告よりも妻の認識が低い家庭は半数に上る!

■夫の家事分担割合に対する認識のギャップの一因?夫の家事のやり方に不満を感じたときに、3人に1人の妻は「やり直している」と回答。

■夫は「やっている」、妻は「やってもらってない」と、夫婦の意見が最も食い違っていた家事は「食事の後片付け」。理由は、夫と妻で「食事の後片付け」のやり方の認識に違いがあることだった。

■夫の家事に対するモチベーションは妻が喜んでくれること?!家事分担割合を増やしたいと考える夫はわずか13%。しかし、妻が自分以上に「夫の家事分担割合」を多く認識してくれている夫に限ると23%と高かった。

■妻は夫よりも「生まれ変わっても同じ相手と結婚したい」と考えている割合が低かった。しかし、夫の家事分担割合が2割以上と回答している妻は、同じ相手と結婚したい割合が高い。夫婦円満と、妻の「夫と家事をシェアしている」実感には相関があった!


<調査結果>

■夫は家事に参加しているつもりでも、妻は認めていないことが発覚。夫は自分の家事分担割合を34%と考えているのに対し、妻の認識は21%に留まっていた。そして、夫の自己申告よりも妻の認識が低い家庭は半数に上る!

 まず、「夫の家事分担割合」について夫と妻の双方に聞きました。その結果、夫の自己申告は34%であるのに対し、妻は21%と低く、認識のギャップがあることがわかりました。

 また、夫の家事分担割合について、夫の自己申告よりも妻の認識の方が低い夫婦は50%に上っており、夫婦間の認識の差が20ポイント以上乖離している夫婦が18%を占めていました。つまり、夫は家事に参加しているつもりでも、妻は認めていないケースが多いことがわかりました。中でも、子どもの末子年齢が小学校3年生以下の家庭では、家事分担割合の認識のギャップが、夫婦間で大きい傾向が見られました。

■夫の家事分担割合に対する認識のギャップの一因?夫の家事のやり方に不満を感じたときに、3人に1人の妻は「やり直している」と回答。一方、妻の家事のやり方に不満を感じても、夫は4割が「あきらめる」だった。

 夫婦お互いの家事全般のやり方について、不満を感じたときにどうするか、その対処方法を聞きました。その結果、夫の家事に対して不満がある時に、妻は「自分がやりなおす(33%)」との回答が最も多く、特に、夫の家事分担割合について夫の自己申告よりも21ポイント以上少なく認識している妻は42%とさらに多い結果でした。この「やりなおす」行為が、夫の家事に対するモチベーションを下げる原因の1つであり、夫婦間の家事分担割合への認識のギャップにつながっていると推察されます。一方、夫は妻の家事に対する不満を感じた時、「あきらめる(42%)」が最も多くなっていました。

■夫が「自分はやっている」と自己申告、一方で妻は「夫にはやってもらっていない」と認識。夫婦の意見が最も食い違っていた家事は「食事の後片付け」。理由は、夫と妻で「食事の後片付け」のやり方の認識に違いがあることだった。

 日常的に夫がやっている家事について、夫と妻各々に聞きました。その結果、夫と妻の認識に最も差があった家事は「食事の後片付け」でした(図1)。さらに「食事の後片付け」の工程ごとに、夫の自己申告と妻の自己申告による実施率を比較しました(図2)。すると、妻はすべてにおいて8割以上の人が行っているのに対し、夫は「生ごみを処理する」以降は2割程度に留まっていました。
 「食事の後片付け」の捉え方(やり方)について、夫婦で話し合い、共有化する事が夫婦のギャップを埋める第一歩になると考えられます。

■夫の家事のモチベーションは妻が喜んでくれること?!今後、家事分担割合を増やしたいと考える夫はわずか13%。しかし、妻が自分以上に「夫の家事分担割合」を多いと認識してくれている夫に限ると23%と高かった。

 ここまでの結果から、夫と妻では家事のやり方が違っており、夫の家事参加が必ずしも妻の家事負担軽減に繋がっていないことが浮き彫りになりました。
 さらに、夫に今後の家事分担割合の増減意向を聞いたところ、今よりも増やしたいと回答した人は、全体で13%に留まっていました。夫が家事に対して不満に感じることを聞くと、最も多いのは「家事をやっても文句を言われる(32%)」であり、妻の夫への低い評価が、夫が家事に前向きになれない要因の一つと考えられます。一方、夫自身よりも妻の方が夫の家事分担割合を多いと認識している夫の場合、10ポイント多い23%が家事分担割合を増やしたいと回答していました。夫にとって、妻に認められることが家事をするモチベーションになっていると考えられます。

■妻は夫よりも「生まれ変わっても同じ相手と結婚したい」と考えている割合が低かった。しかし、夫の家事分担割合が2割以上と回答している妻は同じ相手と結婚したい割合が高い!夫婦円満と、妻の「夫と家事をシェアしている」実感には相関があった!

 最後に、「生まれ変わっても同じ相手と結婚したいか」聞いたところ、「結婚したい」と回答した割合は、夫の66%に対して妻は50%と低い結果でした。しかし、夫の家事分担割合が2割以上と高い妻、あるいは夫の家事分担割合を夫自身よりも多いと認識している妻は、結婚したい割合が高まる傾向が見られました。妻が夫と家事をシェアできていることが実感できると夫婦円満に繋がると考えられます。一方、自分の家事を妻にしっかりと認識されている夫は、生まれ変わっても同じ妻と結婚したい人の割合が81%に上りました。


<調査概要>
調査時期:2016年4月
調査対象者:20~50歳代 夫婦1,000組 計2,000名
対象者居住地域:全国
調査方法:インターネット

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