国内の市場規模と消費者購買情報が分かるスポーツアパレル・シューズ市場情報サービス『Japan Sports Tracker*1』を提供するエヌピーディー・ジャパンが、「アスレジャー」市場の分析を紹介します。

スポーツの要素を取り入れながら普段着にもなる「アスレジャー」。アスレジャーとは、アスレチック(運動)とレジャー(余暇)を組み合わせた造語で米国を中心に広がりをみせています。日本においては、H&Mがスポーツ衣料を扱う店舗数を増やしたり、ユニクロも「ユニクロスポーツ」と名付け、強みである機能性素材を使った商品群の展開を全店で始めるなど、衣料品専門店がスポーツ関連品の取扱店舗を増やしています。スポーツブランドの商品は1万円を超える商品が多いことから、これら衣料品店の商品は比較的低価格で手軽に購入でき、着用シーンも幅広い点を訴え、気軽に運動を楽しむ「ライト層」を取り込んでいこうとしています。

一方で、アディダスはトレンドとスポーツを融合させたストリートコレクションやビジネススーツを発売したり、「スポーツオーソリティ」を運営するメガスポーツが、カジュアル衣料などをそろえたスポーツライフスタイルのセレクトショップを展開するなど、スポーツメーカーやスポーツ専門店がカジュアル向けの商品に力を入れています。スニーカーがファッションアイテムのマストアイテムになっているのもこの例のご多分に漏れません。

2020年の東京五輪に向けてスポーツ関連市場は一段の拡大が見込まれています。この成長している「アスレジャー」市場をより深く理解することは、アパレル/フットウェアメーカーにとってさらなる販売の強化につながる可能性があります。 この成長市場における最新のインサイトを紹介します。

アスレジャー市場は成長。女性が成長のドライバー

『Japan Sports Tracker』では、スポーツに使われている、またはスポーツ用に販売されているアパレルとシューズの消費者購入動向を継続して毎月調査をしています。
最新のデータで直近1年(2015年9月~2016年8月計)のアスレジャー動向をみてみると(図表1)、前年同期比でスポーツアパレル・シューズはカジュアル使用が増加しているのが分かります。さらに、カジュアル使用率を男女別にをみてみると(図表2)、女性の方が高く、さらに前年同期よりも1.8ポイント伸長しています。女性がアスレジャー市場をけん引しているということになります。

伸びているキーアイテムは、カジュアルシューズ、トップス、パンツ

では、アスレジャー市場をけん引している女性の間で成長しているカテゴリーは何かをみてみましょう。スポーツシューズにおいては、「カジュアルシューズ」が伸長しています(図表3)。スポーツアパレルでは、「トップス」と「パンツ」(長/短パンツ含む)のシェアが拡大しています(図表4)。これらのアイテムが、アスレジャー市場の成長のキーアイテムといえるでしょう。

女性の購入時のポイントは「着心地」から「デザイン」にシフト

スポーツシューズ、スポーツアパレルの女性の主要購買理由トップ2をみると(図表5)、前年同期と比較して2番目に多い「着心地(履き心地)」を最も重視した人の割合が0.9ポイント減りました。一方で一番多い理由「デザイン」の比率は0.9ポイント高まっています。

「軽量」、「クッション性」、「特別な技術的特徴」といった機能性を理由に選ぶ比率が微減している一方で、デザインのほか、「色」を理由とする比率が伸びるなど(特典データ)、アスレジャー市場の成長とともにスポーツアパレル・シューズは、より“見た目“が重要視されるようになりつつあります。

需要は増えているものの、参戦する企業も増えてきているアスレジャー市場。スポーツメーカーにとってさらなる販売強化につなげるには、消費者のニーズをよりよく知ることが重要になるでしょう。


「NPD Japan, エヌピーディー・ジャパン調べ」

*1   Japan Sports Tracker
スポーツアパレル・シューズ市場における全国の消費者購買行動を時系列で把握できる日本で唯一の消費者パネルデータベースです。市場のトレンドやビジネスチャンスを特定し売上を伸ばすために必要な、製品トレンドと消費者動向について包括的な情報が得られます。カテゴリー、ブランド、アイテムレベルで自社製品、競合他社製品のパフォーマンスを分析できます。

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[エヌピーディー・ジャパン]
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