ビール・発泡酒・新ジャンル商品の飲用動向と税金に関する調査 

2018年10月11日

ビール酒造組合ならびに発泡酒の税制を考える会では、今年度の『ビール・発泡酒・新ジャンル商品の飲用動向と税金に関する調査』を実施し(2002年より毎年実施)。

この調査は、日本人が好む代表的なお酒である「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の少なくとも1つを飲んでいる 20~69 歳の男女 1,000 人(男性 499 人、女性 501 人)を対象に、お酒の飲用実態や「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」にかかる税金に対する意識を把握することを目的として6月に実施されたものです。

調査結果サマリー


「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の飲用者のお酒の飲み方

◆お酒を飲む場所は“家飲み”が主流、家庭でも外食でも「ビール」が圧倒的な人気
お酒を飲む場所は、「ほとんど家庭で飲む」(54.1%)人が過半数を占め、「主に家庭で飲むが、外でも飲む」(33.2%)も合わせた“家飲み派”が9割近く(87.3%)に達します。“家庭でよく飲むお酒”は「ビール」(70.3%)、“外でよく飲むお酒”も「ビール」(64.2%)が1位となっており、家庭でも外食でも「ビール」が最もよく飲まれていることが分かります。

◆家庭における飲酒予算、月平均一人「6,474 円」
家庭でお酒を飲む予算は、月単位一人分で「1~3千円未満」(25.6%)が最も多く、次いで「3~5千円未満」(19.1%)など、“5千円未満”が半数強(52.7%)を占めますが、一方で「2万円以上」(7.7%)など高額な人もいるため、平均すると月に「6,474 円」と5千円を大きく上回っています。
性別では、男性は「7,426 円」で女性が「5,525 円」と、男女で約2千円(1,901 円)の開きがあります。前回調査と比べると、月平均が 6,033 円→6,474 円と「441 円」増えました。男性(7,456 円→7,426 円)が横ばいなのに対し、女性(4,616 円→5,525 円)が約1千円(909 円)増額となり、平均額が増えた主因となっています。

「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の飲用実態

◆「ビール」の飲用率は安定して8割超をキープ、「発泡酒」は約4割、「新ジャンル商品」は約6割
「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の飲用実態を比べると、「ビール」は8割(81.7%)を超えるのに対し、発泡酒は約4割、「新ジャンル商品」は約6割となっています。2018 年4月にビールの定義が変更され、いろいろな風味のビールを楽しめるようになりました。そのことを「詳しく知っている」(12.8%)は1割程度ですが、「聞いたことはある」(46.1%)を合わせた“認知者”は6割近く(58.9%)に達しています。

「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の税金に対する意識

◆今回の税制改正に満足している人は少なく、消費税引き上げ時などに減税を望む声が根強い
税制改革で 2026 年 10 月にビール系飲料の税額が一本化されますが、そのことの“認知率”は過半数(54.5%)を占めています。税制改革により、ビール系飲料の税負担は 36%程度(消費税 10%増税込み)になりますが、この税負担率には「思っていたより高い」(56.7%)など、“税率は高い”という意見が大多数を占めています。ビール系飲料には酒税に加えて消費税が併課されていますが、消費税が増税された場合、酒税は“減税すべき”(87.2%)という意見が大多数を占めています。
この税制改革によって、「ビール」は値下がりし、「発泡酒」「新ジャンル」は値上がりするものと予想されています。それぞれの愛飲者に値段と飲酒行動の関係について聞いたところ、「ビール」では 10 円の値下げでは約1割だった「増える」の回答が、30 円値下げでは3割を超えます。「新ジャンル」の値上げでは、10 円でも2割以上の“新ジャンル離れ”が、30 円の値上がりでは6割近くに達します。

調査結果


Ⅰ.「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」飲用者のお酒の飲み方

1.家庭でよく飲むお酒の種類

◆ 家庭でよく飲むお酒は、「ビール」(70.3%)が首位など、ビール系飲料が上位を占める
◆ 家庭で一番よく飲むお酒も「ビール」(34.3%)が最多、ビール系飲料を合わせると6割強(61.5%)

お酒を飲む場所は、「ほとんど家庭で飲む」(54.1%)人が過半数を占め、「主に家庭で飲むが、外でも飲む」(33.2%)も合わせた“家飲み派”が9割近く(87.3%)に達します。それに対し、「家庭でも外でも同じぐらい飲む」(7.4%)、「主に外で飲むが、家庭でも飲む」(3.0%)、「ほとんど外で飲む」(2.3%)など、“外飲み派”は少数派です。過去の調査結果をみても、“家飲み派”(2015 年 89.4%→2016 年 88.1%→2017 年 87.7%→2018 年 87.3%)は、常に高い割合を占め続けています。

「家庭でよく飲むお酒の種類(複数回答)」は、「ビール」(70.3%)が最多で「新ジャンル商品」(51.7%)も半数に達し、以下、「チューハイ」(47.0%)、「ワイン」(39.1%)、「発泡酒」(32.2%)が続きます。<図1>

「家庭で一番よく飲むお酒」を1つ選んでもらった場合でも、「ビール」(34.3%)が一番人気で、次いで「新ジャンル商品」(21.3%)でした。「ビール」と「新ジャンル商品」に「発泡酒」(5.9%)を合わせたビール系飲料は、6割強(61.5%)に達します。<図2>
年代別にみると、いずれも「ビール」が最多ですが、若い年代ほど「チューハイ」を挙げる割合が高く、20 代では「チューハイ」(27.6%)が「新ジャンル」(7.7%)を抜いて第2位になっています。

2.外でよく飲むお酒の種類

◆ 外でよく飲むお酒は、1位の「ビール」(64.2%)が圧倒的に多い
◆ 「チューハイ」は全体では3割強(32.4%)が飲んでいるが、60 代(18.2%)では少数派

飲食店など「外でよく飲むお酒の種類(複数回答)」では、「ビール」(64.2%)が6割強と圧倒的に多く、以下「チューハイ」(32.4%)、「ワイン」(26.0%)、「焼酎」(22.2%)、「日本酒」(20.4%)、「カクテルや梅酒」(17.0%)、「ウイスキーやブランデー」(15.0%)などが続きます。また、「外でお酒は飲まない」という人が1割以上(11.9%)います。<図3>
前回調査と比較すると、「ビール」が圧倒的多数(66.4%→64.2%)を占める傾向に変わりはないものの、「チューハイ」(28.1%→32.4%)、「ワイン」(23.5%→26.0%)、「焼酎」(19.2%→22.2%)、「日本酒」(18.2%→20.4%)などが増加傾向を示しています。

「外で一番よく飲むお酒」でもやはり「ビール」(48.7%)がほぼ半数を占め、次いで「チューハイ」(10.4%)が約1割、「焼酎」(5.6%)、「ワイン」(4.9%)、「カクテルや梅酒」(4.5%)などは 5%程度でした。<図4>

3.家庭での飲酒予算

◆ 月一人分の予算は「1~3千円未満」(25.6%)が最多、半数強(52.7%)が“5千円未満”
◆ 家飲み予算の月あたりの平均値は「6,474 円」で、前回「6,033 円」より「441 円」アップ
◆ 女性の飲酒予算が、前回「4,616 円」から今回「5,525 円」と1千円(909 円)近く増える

家庭でお酒を飲む予算は、月単位一人分で「1~3千円未満」(25.6%)が最も多く、以下「3~5千円未満」(19.1%)、「5~7千円未満」(18.8%)、「1~1万5千円未満」(14.1%)などが多くなっています。“5千円未満”が半数強(52.7%)を占める一方で、中には「2万円以上」(7.7%)という人もおり、平均は月に「6,474 円」で5千円を大きく上回っています。<図5>

性別で平均をみると、男性は「7,426 円」で女性が「5,525 円」と、男女では約2千円(1,901 円)の差があります。年代別では、《40 代》(7,266 円)が最多で《20 代》(5,450 円)が最小で、その差は約 1,800 円でした。未既婚別では、《未婚》(5,704 円)より《既婚》(6,909 円)のほうが約 1,200 円多くなっています。

前回調査と比べると、1カ月あたりの平均は 6,033 円→6,474 円と「441 円」増えました。性別でみると、《男性》は 7,456 円→7,426 円と横ばい傾向なのに対し、《女性》が 4,616 円→5,525 円と約1千円(909 円)も増えており、平均額が増えた主因となっています。

Ⅱ.「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の飲用実態

1.「ビール」の飲用実態

◆ 普段「ビール」を「飲んでいる」人が、8割強(81.7%)に達する
◆ 「ビール」を飲む理由は、「おいしいから」(79.7%)、「飲みごこちがよいから」(45.0%)
◆ ビールの定義変更でいろいろな風味が味わえるようになったことの認知度、6割弱(58.9%)

普段の「ビール」の飲用状況をみると、「飲んでいる」(81.7%)という人が8割を超えています。過去の調査と比較すると、前々回 81.7%→前回 82.5%→今回 81.7%と、安定して高い割合が続いています。
飲んでいる理由は、「おいしいから」(79.7%)を挙げる人が突出して多く、「飲みごこちがよいから」(45.0%)、「味や品質がよいから」(36.1%)が続きます。<図6>
前回、今回ともトップ3は、「おいしいから」(72.5%→79.7%)、「飲みごこちがよいから」(41.0%→45.0%)、「味や品質がよいから」(28.6%→36.1%)でしたが、いずれもその割合が増加しています。

2018 年4月からビールの定義が変更され、今まで以上にいろいろな風味のビールを楽しめるようになりました。そのことを知っているか聞いたところ、「詳しく知っている」(12.8%)という人は1割強でしたが、「聞いたことはある」(46.1%)という人を合わせると、“認知者”は6割近く(58.9%)に達しています。<図7>

2.「発泡酒」の飲用実態

◆ 普段「発泡酒」を「飲んでいる」は約4割(40.2%)
◆ 「発泡酒」を飲む理由は、1位「安いから」(61.4%)、2位「おいしいから」(42.0%)などに加え、6位「糖質ゼロなどの機能性があるから」(15.7%)、8位「ビールに比べてバラエティに富んでいるから」(9.5%)、9位「からだにいいから」(7.2%)など、多種多様な理由が挙げられる傾向

普段の「発泡酒」の飲用状況は、「飲んでいる」(40.2%)は半数以下、「飲んでいない」(59.8%)人が過半数で、「ビール」の飲用率(81.7%)の半数以下です。過去調査と比べると、前々回(41.1%)→前回(39.6%)→今回(40.2%)と、大きな変動はありません。

「発泡酒」を飲んでいる理由は、「安いから」(61.4%)が最多、「家計の助けになるから」(22.4%)も5番目に挙げられ、“価格”が大きな理由となっています。2位に「おいしいから」(42.0%)、3位「味や品質がだんだんよくなってきたから」(26.6%)、4位「味が軽いから」(25.9%)と、“味の良さ”も評価されています。「糖質ゼロなどの機能性があるから」(15.7%)、「どこのお店でも気軽に買えるから」(12.9%)、「ビールに比べてバラエティに富んでいるから」(9.5%)、「からだにいいから」(7.2%)など、ビールよりも多種多様な理由が挙げられています。<図8>

前回調査と比べると、「安いから」(53.5%→61.4%)、「おいしいから」(42.2%→42.0%)、「味や品質がだんだんよくなってきたから」(23.0%→26.6%)、「味が軽いから」(20.7%→25.9%)、「家計の助けになるから」(16.9%→22.4%)と上位の項目に変動はないものの、価格に関する項目が比率を上げているのが目立ちます。

3.「新ジャンル商品」の飲用実態

◆ 「新ジャンル商品」を「飲んでいる」人は6割超(60.3%)で、「発泡酒」(40.2%)よりは2割多い
◆ 飲んでいる理由は、1位「安いから」(74.0%)、4位「家計の助けになるから」(20.6%)など、“価格”重視の傾向

「新ジャンル商品」の飲用状況は、「飲んでいる」(60.3%)は5人に3人の割合で、先にみた「ビール」(81.7%)の飲用率よりは低いものの、「発泡酒」(40.2%)よりは 20 ポイント高くなっています。過去調査との比較では、前々回 59.9%→前回 57.8%→今回 60.3%と、ここ3年間飲用率に大きな変動はありません。

「新ジャンル商品」を飲んでいる理由は、「安いから」(74.0%)が圧倒的に多く、「家計の助けになるから」(20.6%)も第4位と、“価格”が評価される傾向です。2位「おいしいから」(39.5%)、3位「味が軽いから」(23.5%)、5位「味・香りのバラエティに富んでいるから」(16.9%)、6位「糖質ゼロなどの機能性があるから」(14.1%)、“味”や“機能性”も理由に挙げられています。<図 9>

前回との比較では、上位の項目に変動はないものの「安いから」(65.7%→74.0%)が 10 ポイント近く増えており、「おいしいから」(36.3%→39.5%)、「味が軽いから」(20.8%→23.5%)など、前回より比率を上げている項目が目立ちます。

4.「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」を組み合わせた飲用パターン

◆ 「ビールのみ」(30.6%)が3割超、次いで「ビール+発泡酒+新ジャンル」(29.4%)も3割弱
◆ 「ビールのみ」などの“1種類飲用者”が約半数(47.2%)、「ビール+新ジャンル」などの“2種類飲用者”は2割強(23.4%)

「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の飲用の有無から“飲用パターン”をみると「ビールのみ」(30.6%)が最も多く、以下「ビール+発泡酒+新ジャンル」(29.4%)の≪ビール系飲料≫の3種類とも飲む人もほぼ同数、「ビール+新ジャンル」(15.6%)、「新ジャンルのみ」(13.6%)と続いています。なお、「ビールのみ」などの“1種類飲用者”がほぼ半数(47.2%)を占め、「ビール+新ジャンル」などの“2種類飲用者”が2割強
(23.4%)を占めています。<図 10>

前回に比べ「ビールのみ」(32.8%→30.6%)、「ビール+発泡酒+新ジャンル」の“3種類飲用者”(28.9%→29.4%)、「ビール+新ジャンル」(14.8%→15.6%)、「新ジャンルのみ」(12.8%→13.6%)と、大きな変動は見られません。

Ⅲ.「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の税金に対する意識

1.日本の「ビール」「発泡酒」の税負担率が主要先進国に比べて高いことの認知

◆ 税負担率の高さを「知っていた」(54.0%)が、調査開始から初めて半数を上回る
◆ 税負担率の認知率は、前々回(43.5%)→前回(45.8%)→今回(54.0%)と増加傾向

日本の「ビール」「発泡酒」の税負担率は、主要先進国のビールの税負担率に比べて突出して高くなっていますが、そのことを知っているか聞いたところ、「知っていた」(54.0%)という人が半数を超えています。
性別にみると、認知率は《男性》(57.9%)のほうが《女性》(50.1%)より8ポイントほど高くなっています。
年代別では、《20 代》(42.3%)が最も低く、《30 代》~《50 代》が 5 割台、《60 代》が6割(60.0%)でした。<図 11>

過去の調査と比べると、認知率は前々回(43.5%)→前回(45.8%)→今回(54.0%)と増加傾向を示しており、今回初めて半数を超えました。このことから日本のビール、発泡酒の高い負担税率への関心の高まりがうかがえます。《男性》(前回 51.9%→今回 57.9%)より、《女性》(39.7%→50.1%)の伸びが顕著です。

2.2026 年 10 月に「ビール・発泡酒・新ジャンル商品の税額が一本化される」ことの認知

◆ 「詳しく知っている」(13.0%)、「聞いたことはある」(41.5%)を合わせた認知率は 5 割強(54.5%)
◆ 前回に比べて、認知率は 10 ポイント近くダウン(63.8%→54.5%)したが、「詳しく知っている」(9.8%→13.0%)はやや増加

平成 29 年度税制改正により、2026 年 10 月に「ビール・発泡酒・新ジャンル商品の税額が一本化される」ことが決まりました。このことについて、「詳しく知っている」(13.0%)、「聞いたことはある」(41.5%)を合わせると、認知率は過半数(54.5%)を占めています。

性別では、「詳しく知っている」(男性 18.6%、女性 7.4%)、認知率(男性 63.5%、女性 45.5%)ともに《男性》のほうが高い割合でした。年代別にみると、「詳しく知っている」割合は若い人ほど高く、《20 代》では2割(20.5%)に達します。しかし、「聞いたことはある」を含めた認知率では、《20 代》(50.6%)は最も認知率が低い《50 代》(49.7%)とほとんど差がありません。<図 12>

前回と比較して、認知率は 63.8%→54.5%と 10 ポイント近くダウンしていますが、「詳しく知っている」(9.8%→13.0%)はやや増加しました。性別では、《男性》(69.1%→63.5%)、《女性》(58.5%→45.5%)と、《女性》が 13 ポイント減少しているのが目を引きます。

3.税制改正でビール系飲料の税負担は 36%程度になるが、この税負担率をどう思うか

◆ 「思っていたより高い」(56.7%)が過半数を占めており、税率が“高い”という意見が主流
◆ 「嗜好品なので仕方ない」(女性 15.0%、男性 10.6%)という意見がありつつも、「思っていたより高い」(女性 61.1%、男性 52.3%)の意見が大勢

現時点の政府の予定によると、2026 年にはビール系飲料の税負担は、小売価格の 36%程度(消費税が10%に増税される)と想定されます。この税負担率についての意見では、「思っていたより高い」(56.7%)が突出して多く、以下「ビールは大衆酒なのに高い」(25.0%)、「他の商品やサービスと比べて高い」(20.3%)、「外国と比べて高い」(14.8%)、「他の酒類と比べて高い」(9.8%)など、“税率が高い”という意見が上位を占めています。反対に、「嗜好品なので仕方ない」(12.8%)、「適正だと思う」(5.3%)、「思っていたより低い」(3.7%)など、容認する意見は少数です。<図 13>

性別では、「嗜好品なので仕方ない」(男性 10.6%、女性 15.0%)といった意見は《女性》が高めですが、「思っていたより高い」という感想も、《女性》(61.1%)が《男性》(52.3%)よりも多い結果が出ています。前回に比べて、「思っていたより高い」(51.1%→56.7%)、「ビールは大衆酒なのに高い」(24.3%→25.0%)、「他の商品やサービスと比べて高い」(18.8%→20.3%)など、“高い”という意見は増加しています。

4.消費税が増税された場合、酒税はどうすべきだと考えるか

◆ 「消費税引き上げ相当分は減税すべき」(49.5%)など、“減税すべき”(87.2%)が大多数
◆ 「減税しなくてもいい」(12.8%)は約1割と少数派

ビール・発泡酒・新ジャンル商品には、酒税に加えて消費税が併課されています。そこで、消費税が増税されたなら酒税はどうすべきかを聞いたところ、「消費税引き上げ相当分は減税すべき」(49.5%)がほぼ半数を占めて最も多く、そのほか「消費税引き上げ分以上は減税すべき」(17.9%)、「消費税引き上げ分まるまるではないが若干は減税すべき」(19.8%)など、“減税すべき”(87.2%)という意見が大多数を占めています。
それに対し、「減税しなくてもいい」(12.8%)という意見は1割程度にとどまっています。<図 14>

5.消費税が 10%に増税された場合、家計で節約しようと思うもの

◆ 「外食費」(40.0%)、「食費」(36.8%)、「飲酒」(21.7%)と“飲食費”が節約の上位

消費税が 10%に増税された場合、家計で何を節約するか聞いたところ、「外食費」(40.0%)が最も多く、次いで「食費」(36.8%)、「飲酒」(21.7%)と、“飲食費”が節約項目のトップ3を占めています。以下同率で3位「水道光熱費」(21.7%)、「日用品」(17.9%)、「通信費」(16.9%)、「趣味」(16.5%)などが挙げられています。
一方、「節約しようと思わない」(23.5%)という人も 2 割強と少なくありません。<図 15>
前回も、「外食費」(44.0%→40.0%)、「食費」(39.7%→36.8%)、「飲酒」(24.2%→21.7%)など“飲食費”が節約のトップ3で順位も変わらず、傾向的に大きな変化はありません。

Ⅳ.税金と「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の飲酒行動の変化

1.2019 年 10 月に消費税が 10%に上がった際、「ビール」の飲酒行動はどうなるか

◆ 「現在と変わらない」(62.1%)が6割超
◆ 「減る」(28.0%)、「飲むのをやめる」(3.1%)、「他の酒類に変える」(2.1%)など、“ビール離れ”(33.2%)の意向も3人に1人

2019 年 10 月に消費税が 8%から 10%に上がった際、今現在の自分自身と比較して「ビール」の飲用量や飲用する酒類に変化があると思うか聞いてみたところ、「現在と変わらない」(62.1%)が6割強でした。一方、「減る」(28.0%)、「飲むのをやめる」(3.1%)、「他の酒類に変える」(2.1%)と、“ビール離れ” (33.2%)の意向を示す人も3人に1人と少なくありません。<図 16>

2.2019 年 10 月に消費税が 10%に上がった際、「発泡酒」の飲酒行動はどうなるか

◆ 「現在と変わらない」(63.7%)が6割超
◆ 「減る」(22.5%)、「飲むのをやめる」(6.4%)、「他の酒類に変える」(3.0%)など、“発泡酒離れ”の意向を示す人が3割強(31.9%)

2019 年 10 月に消費税が8%から 10%に上がった際、今現在の自分自身と比較して「発泡酒」の飲用量や飲用する酒類に変化があると思うか聞いてみたところ、ビールと同じように「現在と変わらない」(63.7%)が6割強を占めていますが、「減る」(22.5%)、「飲むのをやめる」(6.4%)、「他の酒類に変える」(3.0%)と、“発泡酒離れ”(31.9%)の意向を示す人も3人に1人と少なくありません。<図 17>

3.2019 年 10 月に消費税が 10%に上がった際、「新ジャンル」の飲酒行動はどうなるか

◆ 「新ジャンル」の飲酒行動では、「現在と変わらない」(66.7%)が6割超
◆ 「減る」(19.7%)、「飲むのをやめる」(3.7%)、「他の酒類に変える」(2.5%)など、“新ジャンル離れ” (25.9%)の意向も4人に1人

2019 年 10 月に消費税が8%から 10%に上がった際、「新ジャンル」の飲酒行動は「現在と変わらない」(66.7%)が3人に2人の高率です。「減る」(19.7%)、「飲むのをやめる」(3.7%)、「他の酒類に変える」(2.5%)など、“新ジャンル離れ”(25.9%)の意向を示す人は4人に1人と、《ビール》(33.2%)や《発泡酒》(31.9%)よりは低めでした。<図 18>

4.税制改正で「ビール」の価格が変更になった場合、飲む量は変化するか

◆ 【10 円値下げ】【20 円値下げ】では、「現在と変わらない」が7〜8割を占める
◆ 【30 円値下げ】で「現在と変わらない」(57.2%)が6割を切り、「増える」(30.4%)が3割に

税制改正で、2026 年 10 月にビール・発泡酒・新ジャンルの税額は一本化され、店頭での小売価格(350ml缶)は「ビール」が下がり、「発泡酒」「新ジャンル」は上がることが予想されています。そこで小売価格が変更になった場合、飲む量はどうなると思うか、それぞれの飲用者に聞いてみました。

ビール飲用者(817 名)に、350ml缶の価格が【10 円値下げ】【20 円値下げ】【30 円値下げ】に変更になった場合、今現在の飲む量と比較して飲む量はどうなると思うか聞いたところ、【10 円値下げ】の場合は、「現在と変わらない」(83.1%)という人が圧倒的に多く、「増える」(10.3%)は1割程度でした。
【20 円値下げ】では、「現在と変わらない」(73.4%)が 10 ポイント近く低下し、「増える」(16.9%)という人は“10 円値下げ”より7ポイントほど増加しています。
【30 円値下げ】の場合は、「現在と変わらない」(57.2%)は6割を切り、「増える」(30.4%)が3割に達します。
どの金額でも、「飲むのをやめる」や「他の酒類に変える」人はごく少数に過ぎません。<図 19>

性別では、「増える」は《男性》が<10 円値下げ 11.6%→20円値下げ 17.7%→30 円値下げ 27.4%>、《女性》が<10 円値下げ 8.9%→20 円値下げ 16.1%→30 円値下げ 33.4%>と、《女性》のほうが“値段”で飲む量が変わりやすいようです。

5.税制改正で「発泡酒」の価格が変更になった場合、飲む量は変化するか

◆ 【10 円値上げ】でも「減る」「飲むのをやめる」「他の酒類に変える」などの“発泡酒離れ”(21.1%)は2割を超える。
◆ 【30 円値上げ】になると、「現在と変わらない」(43.5%)は4割程度となり、 “発泡酒離れ”(47.0%)がほぼ半数に達する

税制改正で、2026 年 10 月にビール・発泡酒・新ジャンルの税額は一本化され、店頭での小売価格(350ml缶)は「ビール」が下がり、「発泡酒」「新ジャンル」は上がることが予想されています。そこで小売価格が変更になった場合、飲む量はどうなると思うか、それぞれの飲用者に聞いてみました。

「発泡酒」の飲用者(402 名)に、350ml 缶の価格が【10 円値上げ】【20 円値上げ】【30 円値上げ】に変更になった場合、飲む量はどうなると思うか聞いてみたところ、【10 円値上げ】の場合でも「減る」(17.7%)、「飲むのをやめる」(2.7%)、「他の酒類に変える」(0.7%)といった“発泡酒離れ”は2割強(21.1%)もみられます。

【20 円値上げ】では、「減る」(32.3%)という人が 15 ポイント近くアップし、「飲むのをやめる」(3.7%)、「他の酒類に変える」(1.5%)を加えた“発泡酒離れ”は4割弱(37.6%)に達します。
【30 円値上げ】になると、「現在と変わらない」(43.5%)は半数以下となり、「減る」(38.3%)、「飲むのをやめる」(6.2%)、「他の酒類に変える」(2.5%)を含めた“発泡酒離れ”がほぼ半数(47.0%)に達します。<図 20>

性別では、「減る」の割合が《男性》が<10 円値上げ 16.1%→20 円値上げ 29.5%→30 円値上げ 33.7%>、《女性》が<10 円値上げ 19.1%→20 円値上げ 34.9%→30 円値上げ 42.6%>となっており、「ビール」の場合と同様に《女性》が“値上げ”に敏感に反応しています。

6.税制改正で「新ジャンル」の価格が変更になった場合、飲む量は変化するか

◆ 【10 円値上げ】でも、「減る」「飲むのをやめる」「他の酒類に変える」などの“新ジャンル離れ”(22.9%)は2割を超える。
◆ 【30 円値上げ】になると、「現在と変わらない」(37.1%)よりも「減る」(46.8%)が多くなり、「飲むのをやめる」「他の酒類に変える」を合わせた“新ジャンル離”(57.0%)は6割近くに達する

税制改正で、2026 年 10 月にビール・発泡酒・新ジャンルの税額は一本化され、店頭での小売価格(350ml缶)は「ビール」が下がり、「発泡酒」「新ジャンル」は上がることが予想されています。そこで小売価格が変更になった場合、飲む量はどうなると思うか、それぞれの飲用者に聞いてみました。

新ジャンル飲用者(603 名)に、350ml 缶の価格が【10 円値上げ】【20 円値上げ】【30円値上げ】に変更になった場合、飲む量はどうなると思うか聞いたところ、【10 円値上げ】の場合は、「減る」(20.7%)、「飲むのをやめる」(1.3%)、「他の酒類に変える」(0.8%)といった“新ジャンル離れ” (22.9%)は発泡酒(21.1%)同様2割を超えます。【20 円値上げ】では、「減る」(38.8%)が 18 ポイントほどアップし、「飲むのをやめる」(3.3%)、「他の酒類に変える」(1.8%)を加えた“新ジャンル離れ”が4割強(43.9%)とかなり増えています。
【30 円値上げ】となると、「現在と変わらない」(37.1%)より「減る」(46.8%)のほうが多くなり、「飲むのをやめる」(5.6%)、「他の酒類に変える」(4.6%)などを合わせた“新ジャンル離れ”は約6割(57.0%)に達します。<図 21>

性別では、「減る」は《男性》が<10 円値上げ 22.1%→20 円値上げ 36.6%→30 円値上げ 47.0%>、《女性》は<10 円値上げ 19.3%→20 円値上げ 41.0%→30 円値上げ 46.6%>と、「ビール」や「発泡酒」のような男女差が「新ジャンル」では見られません。
年代別では、【30 円値上げ】すると“新ジャンル離れ”の割合が《50 代》(67.2%)、《60 代》(66.9%)で高率なのが目を引きます。

調査概要


◆調査目的:日本人が好む代表的なお酒である「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の3種類のビール系飲料の飲用者を対象に、各商品の飲用実態や、「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」のそれぞれにかかる税金に対する意識を把握することを目的として調査を実施しました。特に、今回は税制改正による酒税の変更や消費税増税が飲酒行動にどのように影響を及ぼすのか、その意識を詳しく探ってみました。
◆調査対象:普段から「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の少なくとも1つを飲んでいる 20~69 歳男女
◆調査方法:スクリーニングで抽出された「普段、ビール・発泡酒・または新ジャンル商品を飲んでいる」と回答した人に対して、電子メールでアンケートページのURLを告知、WEB上のアンケートページで回答を回収しました。
◆調査期間:2018 年 6 月 22 日(金)~6 月 30 日(土)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
[発泡酒の税制を考える会]
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