ジャパンブランド調査2019(20カ国・地域対象) 

2019年04月15日

電通は、日本の文化や強みを生かした商品やサービスを海外展開する「クールジャパン」関連事業の一環として、2018年12月に20カ国・地域※で「ジャパンブランド調査2019」を実施しました。

 全社横断プロジェクト「チーム・クールジャパン」が実施した本調査は、2011年より対象エリアやサンプル数、設問項目を追加しながら継続的に行っているもので、今年で9回目の調査となります。親日度(日本に対する好意度)や訪日旅行意向、訪問地域とその理由、日本産品に対する興味・関心やイメージなどに関する詳細データと知見の収集を目的としています。調査結果は、海外に展開する企業や、国内で訪日客対応を進める企業などに活用いただいています。

 今回調査では、インバウンドで注目が高まる「トルコ」を新たに調査対象国として選定し、全体としては前回と同様の20カ国・地域でありながら、新しい発見のある調査となりました。

主なファインディングス


  • ① 20カ国・地域全体で、日本は「行きたい旅行先」でNo.1。訪日意向は欧州エリアの国々の伸びが顕著に。
  • ② 2025年大阪・関西万博は、既に認知が約5割、「見に行く予定・見に行きたい」人は約4割。
  • ③ 訪日の阻害要因は、20カ国・地域の全体では「費用」「言葉」「距離」がトップ3。東アジアでは「震災の影響(放射能など)が心配」「地震や豪雨など、自然災害が起きるのが心配」「費用」がそのトップ3。
  • ④ 日本製品が持つイメージの競争優位性は「ハイテク」「高性能」「信頼できる」。2015年と比較すると「こだわりがある」「他にはない(Only one)」が大きく増加。
  • ⑤ 今後使ってみたい日本ブランドのカテゴリーでは「健康食品・飲料」「化粧品」「医薬品」が上位に。特に「健康食品・飲料」は台湾・香港・イタリアで関心が高い。
  • ⑥ 日本が、「女性にとって生きやすい/活躍している」と思っている国のトップ3はインドネシア、トルコ、インド。障がい者にとってそうだと思っている国はトルコ、タイ、インドネシア。

※20カ国・地域=中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ(北東部・中西部・南部・西部)、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、トルコ

主なファインディングスの詳細


① 20カ国・地域全体で日本は「行きたい旅行先」でNo.1。訪日意向は欧州エリアの国々の伸びが顕著に。
・競合国と日本を横並びにし、行きたい国・地域を質問したところ、全体では日本がトップとなった。<参考データ①>

・訪日意向は昨年より微増(昨年:76.0%→77.4%)で、引き続き高い。最もスコアが高いのは香港で、アジア諸国が上位を占める。他方で、昨年と比較すると特に欧州エリアの国で意向が高まっている(イギリス前年比+4.3pt、フランス同+5.4pt、ドイツ同+7.7pt、イタリア同+10.0pt、ロシア同+5.3pt)。<参考データ②>

② 2025年大阪・関西万博は、既に認知が約5割、「見に行く予定・見に行きたい」人は4割。
・昨年開催が決まった2025年大阪・関西万博については、既に認知が約5割、「見に行く予定・見に行きたい」人も約4割となっており、2020年東京オリンピック・パラリンピックの後も、海外から多くの外国人観光客が訪日することが見込まれる。

③ 訪日の阻害要因は、20カ国・地域の全体では「費用」「言葉」「距離」がトップ3。東アジアでは「震災の影響(放射能など)が心配」「地震や豪雨など、自然災害が起きるのが心配」「費用」がそのトップ3。
・訪日への阻害要因は「旅行費用が高い」と「言葉が不安」がトップ2。東アジアでは「震災の影響(放射能など)が心配」と「地震や豪雨など、自然災害が起きるのが心配」が上位になっている。

④ 日本製品が持つイメージの競争優位性は「ハイテク」「高性能」「信頼できる」。2015年と比較すると「こだわりがある」「他にはない(Only one)」が大きく増加。
・日本製品のイメージを聞くと、トップ3は「ハイテク」「高性能」「信頼できる」。

・韓国製、中国製と比較すると全体的にスコアが高いが、「人気がある」「おしゃれな」イメージでは拮抗している。<参考データ⑤>

・また、2015年と比較すると、以前はより特徴的に高かった「ハイテク」「高性能」はスコアダウンし、代わりに「こだわりのある」(2015年対比+5.1pt)、「他にはない(Only one)」(同+4.4pt)のイメージが強まっている傾向。

・「こだわりのある」のスコアが高まっているのは、香港(同+8.3pt)、韓国(同+7.5pt)、シンガポール(同+5.7pt)、インドネシア(同+39.7pt)、インド(同+6.2pt)といったアジアの国・地域に加え、ロシアでも大きく高まっている(同+31.3pt)。

・「他にはない(Only one)」のスコアも、香港(同+8.0pt)、台湾(同+9.0pt)、シンガポール(同+7.7pt)、マレーシア(同+13.3pt)、フィリピン(同+31.2pt)、インド(同+16.8pt)などアジアの国・地域で高まっているが、アメリカ(同+7.2pt)、カナダ(同+8.5pt)、イギリス(同+8.2pt)、フランス(同+5.7pt)といった欧米の国々でも高まりを見せている。

⑤ 今後使ってみたい日本ブランドのカテゴリーは、「健康食品・飲料」「化粧品」「医薬品」が上位に。特に「健康食品・飲料」は台湾・香港・イタリアで関心が高い。
・日本のブランドのもので経験・興味ともにスコアが高いカテゴリーは「TV、オーディオなどのAV機器」「自動車、バイクなどの輸送機器」といった従来から日本が強いと言われてきたものであり、スコアはそれぞれ5~6割と突出して高くなっている。

・今後使ってみたい日本ブランドのカテゴリーとしては、その2カテゴリーの他、「健康食品・飲料」「化粧品」「医薬品」が上位に入る。意向が経験を上回り、今後の成長ポテンシャルが高いと考えられるカテゴリーは「医薬品」、「ジュエリー(真珠など)」。「ジュエリー」の意向が高いのはASEANエリア、特にフィリピン、ベトナム、インドネシアで高い。

・経験、興味、意向すべてに5位以内にランクインしている「健康食品・飲料」について、関心が高い国・地域は香港、タイ、フィリピンで5割を超えるスコアとなっている。また昨年よりも関心が高まっている国・地域もあり(香港 前年比+5.3p、台湾 同+6.3pt、イタリア 同+6.6pt)、世界的な健康ブームを背景に今後も期待できるカテゴリーとなっている。

⑥ 日本が、「女性にとって生きやすい/活躍している」と思っている国のトップ3はインドネシア、トルコ、インド。障がい者にとってそうだと思っている国はトルコ、タイ、インドネシア。

調査概要


ジャパンブランド調査2019
■目的:食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握する
■対象エリア:20カ国・地域
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ(北東部・中西部・南部・西部)、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、トルコ
※今回は、過去の調査の推移で変化の少なかったブラジルを除外し、インバウンドで注目が高まるトルコを追加しました。
■調査手法:インターネット調査
■対象者条件:20~59歳の男女 *中間所得層以上
 *「中間所得者層」の定義(収入条件):OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
■サンプル数:中国はA・B300名ずつで計600名、アメリカは600名、それ以外の地域は各300名の計6,600名
■調査期間:2018年12月~2019年1月
■調査機関:株式会社ビデオリサーチ

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