外国人買い物客実態調査(世田谷区内事業者対象) 

2016年01月13日
東京商工会議所世田谷支部は外国人買い物客実態調査実行委員会において、世田谷区内事業者の外国人買い物客への対応状況の実態を把握するために標記アンケート調査を実施し、このたび調査結果がまとまりましたのでお知らせします。

【調査の背景】

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定以降、東京を訪れる外国人観光客が急増しており、その消費を取り込むことで売上を大きく伸ばしている企業もみられます。一方、世田谷区においては外国人買い物客が増加している中で、外国人のお客様への対応力不足等により、商機を逃している事業者も少なくないと思われます。そこで、区内の小売・飲食・サービス事業者等を対象に、外国人買い物客の来店状況や現在抱えている問題点等についてアンケート調査を実施し、今後の区内事業者の外国人買い物客対応支援に繋げるため、データを収集し実態を把握することにしました。

【調査結果の主なポイント】

1.外国人買い物客の利用状況

〇ここ1年の外国人買い物客の来店実績は、全体の64.5%であった。地域別では、下北沢駅周辺及び北沢地域で80%以上の来店実績があり、このエリアに外国人買い物客が特に多いことが明らかとなった。

〇1年前と比較して外国人買い物客が「増えた」という事業者は42.6%。特に下北沢駅周辺及び北沢地域でこの比率が高いほか、小売業・飲食業で「増えた」という回答が多くみられた。

〇外国人買い物客のうち観光客が占める割合は、区全体平均で22.8%であるが、下北沢駅周辺では39.6%にのぼる。また、小売業・飲食業で、観光客比率が高い傾向がみられる。


2.外国人買い物客の国籍や使用言語

〇外国人買い物客の国籍は、「欧米系」71.4%、「中国系」68.5%、「韓国系」39.9%、「その他アジア」37.9%。最近増加している外国人買い物客は、「中国系」が56.3%と最も多く、観光客を中心として、中国系の買い物客の来店が増加傾向にある。

〇外国人買い物客が使用している言語は、「英語」76.4%、「日本語」51.7%、「中国語」31.5%。外国人観光客比率が高い下北沢駅周辺エリアでは、「日本語(32.0%)」よりも「英語(89.3%)」「中国語(41.3%)」の比率が高くなっており、外国人買い物客とのコミュニケーションに労する状況が窺える。


3.外国人買い物客に対する意識と対応状況

〇「今後、外国人買い物客(観光客)の来店を希望している」という事業者は37.7%で、「将来的に希望する」16.3%を含めると54%を占める。但し、従業員規模が5名未満の事業者や赤字企業では、「来店を希望しない」比率が高い傾向にあり、従業員規模や経営状況によって、外国人観光客の受入れに対する意識の差がみられた。

〇外国人買い物客の誘客のための取り組みのうち、比較的進んでいるのは「外国語を話せるスタッフ」「クレジットカード決済」であり、約3割の事業者が対応済みという回答。将来的に対応したい取り組みでは、「外国人対応のための接客ハンドブック」「外国語表記の商品の案内表示」「外国語表記によるインターネットの情報発信」「外国人向け商品の構成」という回答が多くあげられた。

〇外国人買い物客の受入れに必要な環境整備としては、ハード面では「道路・公共施設等における多言語表記」73.0%、「外国語が話せるスタッフがいる案内所」58.2%、「公衆無線LAN」45.5%が上位にあげられた。ソフト面では、「多言語表記の買物ハンドブック・マップの発行」62.8%が最も多いほか、「スタッフの育成」39.0%、「接客マニュアルの発行」30.7%など、個店レベルで必要な課題もあげられた。



【調査概要】
対象:世田谷区内3,066事業者
調査期間:平成27年7月7日~7月31日
有効回答数:330件(回収率10.8%)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[東京商工会議所]
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