家庭のエコ対策調査(20歳以上の男女対象) 

2017年05月31日
アサヒグループホールディングスは、「各家庭のエコ対策の現状」をテーマに調査を実施。

【調査結果サマリー】

・家庭のエコ対策は「節電」「節水」が主流- 頑張った結果が「公共料金」に表れやすい
・震災から6年を経て「節電」は減少し、「リサイクル」「節水」は増加傾向
・節電対策の基本は「つけっぱなし・待機電力」カット、「LED電球」交換
・節水成功は「お風呂の残り湯」と「雨水」の再利用- 節水シャワーで水道代節約も
・「マイバック」は現代人の必需品- 帰宅時の買い物に備え、サラリーマンもカバンに常備
・「旬」「地産地消」を意識すれば、「健康」「地域経済」「エコ」につながる
・「食べ切れる量を買う・作る・盛る」「感謝の気持ち」が食品ロスを減らす
・7割以上が「1カ月の賞味期限切れなら食べる」-食卓を担う女性はやや慎重派
・消費行動の第一優先は「健康」-節約で体を壊しても元も子もない
・「家計」「エコ」は年々減少し、「健康」を重視する時代へ-元気があれば何でもできる

【調査結果】

家庭のエコ対策は「節電」「節水」が主流- 頑張った結果が「公共料金」に表れやすい

ご家庭内のエコ対策として、皆さんが最も重視していることは何でしょうか。最も回答が多かったのは「節電」(61.2%)でした。「うちはオール電化なので、光熱費は全て電気なので」(女性50代、三重県)、「一番我が家の家計で費用が掛かっている所なので、電気料金を抑える事に専念している」(男性50代、大阪府)など、家計に占める電気料金の割合が多く、否が応でも「節電」を意識せざるを得ないという声。自由回答の中には「一番、身近なもので実行することが可能だと思うから」(女性30代、和歌山県)など、毎日の私たちの暮らしの中で対策に取り組みやすく、頑張った分だけ、電気料金として結果が表れやすいという声も目立ちました。私たちの行動の一つ一つでコントロールしやすく、最も身近なエコ対策が「節電」と言えそうです。

2位は「節水」(12.9%)。「東日本大震災で、水が一番貴重であることに身をもって知らされたから」(女性60代、福島県)など、生命維持に欠かせない「水」を重視する声。特に「夏場になるとダムの水が干上がるというニュースを耳にするので、そうならないように常に節水をするよう心がけている」(男性40代、東京都)など、夏場の水不足に備えて、節水を積極的に行っている人もいました。ランキング上位には「電気」「水道」が挙げられ、私たちの暮らしに欠かせないインフラに重きを置く声が目立った一方、「節ガス」(2.6%)に対する意識はそれほど高くありませんでした。最近では「オール電化住宅」も増えており、日々の暮らしに必ずしもガスは必要でなくなっている方もいるのかもしれません。

見逃せないのは、3位の「再利用(リサイクル)」(12.1%)です。「家電や家具、使わない日用品、古着などはリサイクルショップに持って行く。簡単で無理なくできて、限りある資源を再利用することは大切だと思う」(女性40代、大阪府)など、まだ十分に使えるものの、家庭内で不要になった商品のリサイクルを徹底しているという声。さらに「コンポストを利用している。生ゴミをポイポイ入れていくだけですが、それだけでずいぶんとゴミの量が減った。生ゴミが良い土に返ったらガーデニングに利用している」(女性30代、大阪府)など、同じく4位にも「家庭ごみの処分」(9.3%)が挙げられ、「リサイクル・ゴミ」への関心の高さが判ります。自由回答の中には「リサイクルを意識すると、無駄な買い物をしなくなった」(女性40代、千葉県)など、「ゴミの分別」「再利用」意識の高まりで、買い物に対する意識が大きく変わったという人もいました。かつて大量生産・大量消費は国の発展や経済成長の証のようなものでしたが、ゴミや環境破壊などが社会問題となる中で「より環境負荷の少ない循環型の経済社会を目指そう」という意識や動きが定着し始めていることがうかがえます。

そのほか、性別で家庭内のエコ対策に対する意識を見てみると、取り組み易い「節電」(男性=、66.5%、女性=55.8%)は男性回答が大きく上回りました。その一方で、「節水」(男性=11.2%、女性=14.5%)、「再利用(リサイクル)」(男性=9.9%、女性=14.3%)、「家庭ごみの処分」(男性=8.2%、女性=10.3%)は男性よりも女性回答に目立ち、節電のみならず、家庭全体のエコ対策に目を光らせている女性が多いことがうかがえます。

震災から6年を経て「節電」は減少し、「リサイクル」「節水」は増加傾向

ちなみに過去10年間の同調査を振り返ってみると、東日本大震災に見舞われた2011年を境に「節電」(2010年=51.5%、2011年=69.4%、2012年=73.8%、2015年=66.3%、2017年=61.2%)に対する意識が急増しましたが、2015年ごろから減少傾向に転じ、今年は2012年のピーク時よりも12.6%もダウンしました。震災から6年を経て、日々の暮らしの中に占める「節電」への意識が徐々に薄らぎつつあることがうかがえます。一方で、「再利用(リサイクル)」(2010年=13.1%、2011年=5.2%、2012年=7.6%、2015年=13.2%、2017年=12.1%)、「節水」(2010年=17.1%、2011年=9.0%、2012年=9.9%、2015年=8.1%、2017年=12.9%)は2011年以降の「節電意識」増加に伴い、「リサイクル」「節水」に対する割合は大幅に減少していましたが、2015年を境に震災前の数値まで回復しつつあることが判ります。東日本大震災後の原発問題で、「節電」が一般家庭でも第一優先とされてきましたが、時間の経過とともに「節電」以外のエコ対策にも目が向くようになってきたことがうかがえます。

節電対策の基本は「つけっぱなし・待機電力」カット、「LED電球」交換

家庭内の一番の関心時は「節電」であることが判りましたが、では皆さんのご家庭で実践している「節電・省エネ」対策を具体的に見ていきましょう。最も回答が多かったのは「しばらく部屋から離れる時は部屋の照明やテレビをこまめに消す」(76.6%)でした。「テレビ、電気など部屋を空けるときは消すようにしている」(男性50代、山口県)など、人がいない部屋の照明やテレビのつけっぱなしをなくすという声。さらに「テレビ・PCには節電タップを取り付けて、使うときのみスイッチを入れている」(男性60代、北海道)など、9位にも「家電の待機電力を抑えるため使用時以外、なるべく主電源を切る(またはプラグを抜いている)」(37.9%)が挙げられ、つけっぱなし、待機電力などの「無駄な電力」のカットに努めているという声も少なくありませんでした。最近では「ワットメーター付き電源タップ」も量販店などで売られており、消費電力の細かい数値を見ながら節電対策が行う人もいました。

ご家庭で実践している「節電・省エネ」対策は?
1 しばらく部屋から離れる時は部屋の照明やテレビをこまめに消す 76.6%
2 季節に合った服装に気を遣い、なるべくエアコンは使用しない 60.2%
3 暖房便座の設定温度は季節で調整している(使わないときはふたをしている) 54.7%
4 歯磨き時、シャワー時に水道をこまめに止めている 53.7%
5 照明は白熱電球から省エネ型の電球形蛍光ランプやLED電球に交換している 51.3%
6 エアコンの設定温度を季節によって上手にコントロールしている 45.7%
7 洗濯物のまとめ洗いをしている 43.4%
8 風呂の残り湯を洗濯などに再利用する 38.7%
9 待機電力を抑えるため使用時以外、なるべく主電源を切る(プラグを抜く) 37.9%
10 冷蔵庫の温度調整をしたり、モノを詰め込みすぎないようにしている 35.2%
MA(複数回答)/n=2138人

同じく消費電力を劇的に減らす対策として、5位に「照明は白熱電球から省エネ型の電球形蛍光ランプやLED電球に交換している」(51.3%)がランクイン。「LEDは、最初割高かもしれないが先を見越してすべての部屋をLEDに変えた」(女性30代、兵庫県)など、近年一気に普及した白色LEDは、一般家庭の節電対策に大きな貢献を果たしていることが判ります。ご存知のとおり、白色LEDの開発には日本人科学者らのノーベル賞受賞で注目された「青色LED」が欠かせず、私たちの暮らしやエコ意識を一変させた世紀の大発明と言っても過言ではないでしょう。

次に2位は「季節に合った服装に気を遣い、なるべくエアコンは使用しない」(60.2%)。「なるべくエアコンの使用を避けるため、玄関にスライド網戸を設置し風通しをよくしている」(男性50代、京都府)、「家に居る時は、冬は暖かい服装、夏は涼しい服装になる」(男性40代、広島県)など、衣類も住環境も風通しの良い暮らしを実現し、夏場の家庭内の消費電力の大半を占めるエアコンの使用を抑えるという声。さらに「エアコンは夏28度、冬20度に設定している」(男性40代、京都府)など、6位にも「エアコンの設定温度を季節によって上手にコントロールしている」(45.7%)が挙げられ、「家計」「環境(エコ)」「健康」に優しいエアコンの使い方を実践している人が目立ちました。「節電、節電…」と頑なにエアコンの利用を避け、かえって体調を崩してしまっては元も子もありませんので、自分の体調や室温などを見ながら、上手な活用が必要と言えそうです。エアコンの上手な利用術として、自由回答の中には「扇風機と併用して(エアコン)使っている」(女性50代、千葉県)など、部屋全体を効率的に涼しくするため、扇風機やサーキュレーターを一緒に稼働させているご家庭も少なくありませんでした。

節水成功は「お風呂の残り湯」と「雨水」の再利用- 節水シャワーで水道代節約も

「節電」以外で多かったのは、4位「歯磨き時、シャワー時に水道をこまめに止めている」(53.7%)。「少し高価なシャワーヘッドでしたが、節水シャワーヘッドに交換して1年くらいで購入した金額分の節約が出来ました」(女性50代、大阪府)など、水の出しっ放しや、水量を減らす工夫で「水道料金」を大幅に引き下げられたという声。さらに「洗濯物を毎日洗いたくても、我慢してまとめて洗う」(女性50代、東京都)など、7位に「洗濯物のまとめ洗いをしている」(43.4%)、8位にも「風呂の残り湯を洗濯などに再利用する」(38.7%)が挙げられ、家庭内の水道使用の大半を占める「お風呂」と「洗濯」での節水を重視する声が目立ちました。資源ゴミや衣類などのリサイクルが定着していますが、水においても「雨水タンクを設置して、庭の水まきも水道水の使用をできる限り抑えるようにしている」(男性50代、千葉県)など、残り湯や雨水等の「水の再利用」が節水を成功させるコツと言えそうです。

皆さんから寄せられた自由回答の中には、夏の猛暑に向けた対策も数多く寄せられました。その中からいくつかご紹介します。「我が家では居間、お座敷に沿って楓の大きな木を植え、グリーンカーテン代りに使用し室温を下げている」(男性70代、山口県)など、日差しの強い窓側の部屋には、屋外にグリーンカーテンや背の高い植物を置き、部屋に入ってくる日差しを和らげるという声。また中には「出かける時はカーテンをして、部屋が暑くならないようにしている」(女性20代、大阪府)など、外出時はグリーンカーテンではなく、本物のカーテンで部屋内に熱がこもるのを防ぐという人もいました。特に「帰宅後すぐのエアコン」は電気代が嵩みやすいそうですので、外出時は外の熱が伝わりにくい「遮熱カーテン」などで、室内の温度上昇を極力抑えることも効果的です。そのほか、「冷却マットや寝ござ、い草を取り入れる。サンシェード、すだれを取り付ける」(女性40代、神奈川県)など、昔ながらのい草のござ、簾やよしずから、最新の冷却グッズの活用まで、夏本番に向けて着々と準備を進めている人もいました。

「マイバック」は現代人の必需品- 帰宅時の買い物に備え、サラリーマンもカバンに常備

続いて、買い物や調理、食事の食べ方など「食生活に関わるエコ対策」について見ていきましょう。最も回答が多かったのは「スーパー、コンビニのレジ袋は断り、マイバッグを持参するようにしている」(76.9%)でした。「スーパーでレジ袋代がかかるところが増えてきたので、なるべくマイバッグを使うようにしている」(女性30代、岡山県)、「余分なビニール袋はもらわないよう心がけている」(男性30代、東京都)など、無駄なレジ袋を家に増やさず、袋代の節約にも結び付くという声。性別で「マイバッグ持参」(男性=68.7%、女性=84.7%)という声を見てみると、家事を支える主婦層のみならず、男性陣にも定着していることが判ります。自由回答の中には「たとえスーツ姿でもマイバッグは忘れないようにしている」(男性40代、愛知県)など、仕事用のブリーフケースに、常時マイバッグを携行しているサラリーマンも案外少なくないことがうかがえます。

食生活に関わる「エコ対策」は?
1 スーパー、コンビニのレジ袋は断り、マイバッグを持参するようにしている 76.9%
2 旬の食材を買うようにしている 44.1%
3 皿にのせた食事は残さず、すべて食べるように心掛けている 42.9%
4 冷蔵庫の残り物チェックをまめに行っている 38.7%
5 ガスコンロの火を鍋からはみ出さないように調節している 36.4%
6 外出時は水筒を持ち歩くようにしている 35.0%
7 食の恵に感謝して「いただきます」「ごちそうさま」を忘れない 34.1%
8 値段が安くても大量購入せず、食べ切れる量のみ買うようにしている 34.0%
9 「地産地消」の食材をなるべく購入する 29.1%
10 油を使った鍋や皿などは紙で拭き取ったのち、水洗いしている 25.2%
MA(複数回答)/n=2107人

「旬」「地産地消」を意識すれば、「健康」「地域経済」「エコ」につながる

2位は「旬の食材を買うようにしている」(44.1%)。「旬の安い食材は沢山購入して保存食を作ったりしている。大根などは切干大根にして、筍は水煮にして殺菌保存で通年食べられる」(女性40代、鹿児島県)など、栄養価が高く味が良く、かつ値段も安い「旬の野菜」を中心に買って食卓に並べているという声。さらに「家庭菜園でスナップエンドウやミニトマト、パクチーを育てていて、旬の食材を食べるようにしている」(女性30代、福島県)など、四季折々の野菜を庭で育て、常に安心でフレッシュな野菜を食べているという人もいました。昨今、スーパーなどの野菜売場を見てみると、季節に関係なく、一年中同じ野菜が売られています。ビニールハウス栽培による野菜生産はもちろん、輸送技術の向上に伴い、鮮度の高い外国産野菜の輸入が増えていることも大きな要因と言えます。とはいえ、ビニールハウス栽培では冬場に重油や灯油暖房などが必要になることや、海外からの輸入の場合は、船や飛行機などでの輸送が必要となり、いずれにしても二酸化炭素の発生が避けられません。「地産地消。フードマイレージを常に意識している」(男性60代、島根県)など、9位にも「『地産地消』の食材をなるべく購入している」(29.1%)が挙げられましたが、「旬」と「地産地消」を意識することは、「健康(=自分・家族)」「地域経済活性(=地域)」「エコ(=地球環境)」に優しい買い物であることがうかがえます。

「食べ切れる量を買う・作る・盛る」「感謝の気持ち」が食品ロスを減らす

続いて、3位は「皿にのせた食事は残さず、すべて食べるように心掛けている」 (42.9%)。「食べ物はどんなに美味しくなくても、必ず残さず食べるようにしている」(男性20代、千葉県)など、「もったいない」の精神から、食事を残さないことを信条やマナーとする声。 さらに「買い物は冷蔵庫のあるものをチェックして、何を作るか考え、足りないものを購入する」(女性40代、京都府)など、4位に「冷蔵庫の残り物チェックをまめに行っている」(38.7%)、8位にも「野菜などの値段が安くても大量購入せず、食べ切れる量のみ買うようにしている」(34.0%)が挙げられました。「買いすぎない」「料理は作りすぎない」「皿に盛りすぎない」など、家庭内の食品ロス(食品廃棄)を減らすため、無駄のない買い物や食事づくりを心掛けている人も少なくありませんでした。

加えて、7位にも「食の恵に感謝して『いただきます』『ごちそうさま』を忘れない」(34.1%)がランクイン。子どもの頃から、日本の食卓では食事の前後の挨拶として「いただきます」「ごちそうさま」を躾けられますが、この言葉には自然界の動植物の命をいただくことに対する感謝、農家や漁師、畜産業に関わる生産者への感謝、さらに料理を作ってくれた人に対する感謝の気持ちが込められています。自然界の命をいただいて、自分が生かされていると思うと「毎日の食事を大事したい」という気持ちも自然と湧いてきます。以下、「ガスコンロの火の調節」(男性70代、徳島県)など、5位に「ガスコンロの火を鍋からはみ出さないように調節している」(36.4%)、10位に「油を使った鍋や皿などは紙で拭き取ったのち、水洗いしている」(25.2%)が続き、料理時の「節ガス」から洗い物に付着した「油対策」に至るまで、食に関わるエコ対策は多岐に渡っていることがうかがえます。

7割以上が「1カ月の賞味期限切れなら食べる」-食卓を担う女性はやや慎重派

昨今、「食品ロス」などが問題視されています。市販されている食品には「消費期限(期限を過ぎたら食べないほうがいい)」と「賞味期限(おいしく食べられる期間)」の表記がありますが、さて皆さんは賞味期限が1カ月間切れている食品をどうされているのでしょうか。「おいしく食べられる期間だから、多少過ぎていても体に影響はないと思うので」(女性30代、奈良県)など、「特に気にせず食べる」と回答した人は15.9%。さらに「1~2カ月は見た目で特に問題なければ気にせず食べる。3カ月以上の場合、袋や缶がふくらんでいないか、おかしな臭いがないかをチェックし、問題なければ加熱して食べる」(男性60代、兵庫県)など、「一応、味や匂いなどを確認してから食べる」という声も54.5%を数え、全体の7割以上の人びとが「1か月以内の賞味期限切れなら食べる」という判断をしていることが明らかとなりました。性別で「特に気にせず食べる」「一応、味や匂いなどを確認してから食べる」という声を見てみると、男性回答では71.8%。一方で、女性回答は男性よりも3%近く低い69.1%を示し、家庭の食卓を担う主婦層も多いせいか、「賞味期限」に慎重な判断をする人が目立ちました。

その反面、「積極的には食べない」(21.6%)、「絶対食べない」 (8.0%)という声は約3割近くを占めました。主な理由は「数日程度なら食べるが、それ以上は体にも悪そうなので食べない」(男性60代、東京都)、「確認しても不十分だと思うので、1カ月過ぎたものは健康を害するリスクが高いので食べない」(男性40代、宮城県)など、健康に影響を与える可能性もあるので食べないという声。さらに「一カ月は長すぎる。味が変質していると思う」(男性50代、福岡県)など、美味しさが失われるからという声も寄せられました。

消費行動の第一優先は「健康」-節約で体を壊しても元も子もない

最後に日ごろ、皆さんが買い物や何か行動をする時に「エコ(地球環境保護)」と「節約(家計費を切り詰める)」と「健康・安全」の3つの中で、何を一番に優先しているのでしょうか。「家計や節約の事ばかり考えていると息が詰まるので、この歳になるとたくさん食べる訳ではないから健康に良いものを選んでいる」(男性70代、愛知県)など、「『健康・安全意識』を優先する」と回答した人が最も多く39.8%。自由回答の中には「『健康で安全』だから『エコ』も『節約』も出来る。変なもの食べたり、危険だったりしたら、通院や入院で余計な出費もかかるし、節約する気持ちにもならないから」(女性40代、茨城県)など、エコや節約生活で体を壊しては元も子もない、「健康・安全」こそが第一優先という声が目立ちました。

次に回答が多かったのは「『家計・節約意識』を優先する」(37.7%)。「環境を意識した商品は高額なものが多く、我が家の収入では手が出せないことがほとんど」(女性40代、福島県)、「食品を購入するにも10円値上がりするだけでも手が伸びず、節約が脳裏に浮かぶので」(女性30代、長崎県)など、エコや健康を優先にしたいが、生活に余裕がないという声。さらに「日本のお店で、極端に危険な食品は売られていないと思うので、メーカーやお店を信頼して、お得感のあるものを買っている」(女性50代、埼玉県)、「消費期限に近い見切り品などを安く買うので、結果的にエコになる」(男性40代、神奈川県)など、日本国内では節約第一優先で行動していれば、ある程度のエコや安全も享受できるという人もいました。以下、「子孫に安全な環境を残すため」(男性60代、神奈川県)など、「「環境保全・エコ意識」を優先する」(2.0%)、「どれも半々で何ともいえない」(20.2%)が続きました。

「家計」「エコ」は年々減少し、「健康」を重視する時代へ-元気があれば何でもできる

過去に実施した同調査と比較すると、「『家計・節約意識』を優先する」(2011年=54.9%、2013年=42.8%、2016年=42.6%、2017年=37.7%)、「エコ意識」(2011年=13.8%、2013年=7.2%、2016年=2.2%、2017年=2.0%)という声は2011年をピークとして年々減少傾向。東京五輪に向けた建設ラッシュやインバウンド需用の拡大など、日本の景気は緩やかな回復基調を見せていると言われますが、そういった社会環境も影響してか、特に「家計・節約意識」は昨年より5%近くもダウンしています。その反面、「『健康・安全意識』を優先する」(2011年=12.1%、2013年=30.8%、2016年=37.4%、2017年=39.8%)という声は過去最高の数値を示し、今年初めて「家計・節約意識」を上回りました。こうした背景には「健康でなければ、節約しても、結局医療費等がかかって、かえって支出が増える結果になりかねないと思う」(男性50代、千葉県)、「健康でないと家族の気も滅入るし、病院・薬代もかかるので余計な負担を持ちたくない」(女性50代、岐阜県)など、年金受給額が減らされて老後生活の不安が広がる中、「健康維持」に努めて余計な出費を増やさないことが、結果的に「家族のハッピーにつながる」という声が目立ちました。「元気があれば何でも出来る」というアントニオ猪木さんの名言がありますが、様々な課題が山積するこれからの日本社会の中で、一番に求められているのは、ストレスに負けない「元気さ(健康)」と言えるかもしれません。

今回は「エコライフ」をテーマに、皆さんのご意見を聞いてきました。アンケートでは「賞味期限切れの商品を食べるか否か」などの設問を聞いてきましたが、日本における食品ロス(廃棄)は年間約632万トン(農林水産省)と推計。一人当たりに換算すると、毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと同じなんだそうです。食品ロスは、食品メーカーや卸、小売店、飲食店、家庭などでそれぞれ発生していますが、私たちがスーパーなどの小売店で商品を購入するときにひと工夫するだけで、食品ロスの削減に少しだけ貢献が出来るそうです。さて、皆さんがスーパーで買い物をする時、「賞味期限」「消費期限」が迫っているものと、1日でも長いものなら、一体どっちを買うでしょうか? 一般的に1日でも長いものを選びますよね。陳列棚の奥の方から日付の長いもの探すなど、ついつい新しい商品に手が伸びてしまいがちです。しかし「食品ロス(廃棄)を減らす」という観点から考えれば、「賞味期限」「消費期限」が迫っているものから購入するのが正解と言えます。期限が迫っているものから消費すれば、確かにその分の廃棄処分を減らすことが出来ますね。まずは買ってすぐに食べられるもの、すぐに使い切れるものは「なるべく『賞味期限』『消費期限』が迫っているものから選ぶ」、そう少し意識を変えてみてはいかがでしょうか。ほんの小さな消費行動ですが、食品の廃棄を1つでも減らすことが出来るかもしれませんよ。


【調査概要】
調査対象:全国の20歳以上の男女
有効回答数:2,262人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2017年5月24日~5月30日

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[アサヒグループホールディングス]
 マイページ TOP