キッチン白書2019:昭和VS平成 夕食に並んだメニューと調理への意識変化調査(夫婦2人以上の世帯の主婦20~79歳対象) 

2019年03月22日

クリナップのおいしい暮らし研究所では、継続的に行っているキッチン周辺環境の生活者実態調査を『キッチン白書2019』としてまとめ、公開します。今回は1978年~2018年の40年間に、夕食に並んだメニューと調理への意識変化を調査。メニューについては昭和の最後にあたる1987-88年と、平成の最後にあたる2017-18年とで比較しました。

【言葉の定義】
・実食率→家で食事をした割合(家で食事をした回数/食事総回数)
・メニューの出現回数→各メニューの、100世帯2週間あたりに出現した回数。1世帯のうち家族一人以上が食べれば1カウント。

調査結果サマリー


①夕食メニューは、和食料理から一品料理へ変化
すまし汁、佃煮、漬物、煮物などを含む和食メニューが減り、丼物や肉炒め物、スパゲッティなど一品で食事となるようなメニューが増えていることが浮き彫りに。

②夕食に果物に変わりヨーグルトなどの冷菓が登場
主にデザートとして登場していた果物が減少し、ヨーグルトなどの「冷菓」が増加。夕食メニューの概念にも変化の兆しが見える。

③調理方法は炒め物のみ増加。漬物は約1/3に減少するも、30代で手作り派が増加
焼き物、煮物、揚げ物、和え物など和食の多彩さを支える調理方法が減少傾向のなか“炒め物”だけが増加傾向。
漬物の登場回数は約1/3に大幅減少。手作りへのこだわり意識も減少するなか、30代では手作り派が29.3%から35.5%へと増加傾向。今後の推移が注目される。

④家で夕食を食べる人が減少し、炊事時間も短縮化
家で夕食を食べている人は、30~60代のどの年代でも減少傾向だが、60代においては下げ止まり感がある。最近10年間の調査では、30代の調理時間短縮への強い思いが高まっており、直近では5割を超えている。

調査結果


家(いえ)食の変化

1 実食率の推移
全体:実食率は低下、直近では80%程度
年代別:30〜50代では40年前から10pt程度、60代では5pt程度低下しているが、30〜50代は17-18年で増加に転じ、60代は11-12年から横ばい。直近では、30代の実食率が最も低く、30<50<40<60代と高くなる。

2 メニューの出現回数昭和vs平成
昭和最後の87-88年と平成最後の17-18年のメニュー出現回数を比較。増加率の大小10メニューを表示。
・増加率が大きいのは冷菓や、粉料理、丼物・弁当類、肉炒め物、スパゲティ・マカロニなどの一品で食事となるようなメニュー
・増加率が小さいのはすまし汁、佃煮、漬物、魚貝類煮物やそのまま、野菜煮物、天ぷらなどの和食や果物など
・冷菓の菓子類が増加しているのに対し、果物などが減少している

3 調理方法の推移
炒め物以外は減少傾向、漬物の減少幅が大きい
漬物の出現回数は40年前の1/3程度まで減少、漬物に注目し、調理方法の年代別推移を確認。30・40代では1/6、50代は1/3、60代は1/2程度まで減少しているが、30代では09-10年以降減少から横ばいに。

4 【漬物】調理形態昭和vs平成
直近、30代は横ばい、40〜60代は減少の傾向にある漬物だが、その調理形態を昭和最後の87-88年と平成最後の17-18年とで比較。全体では手作りが3pt減少しているが、年代別では、手作りの割合が、30代で6pt増加、40〜60代で10pt以上減少。
ちなみに、昭和最後の87-88年と平成最後の17-18年で食べている漬物を調理形態問わず、出現回数で比較すると、キムチが全年代で回数増加。更に、50代では酢漬、60代では酢漬と塩漬が増加。

意識の変化

1 「調理時間短縮意向」の推移
・17-18年:
 ・調理時間短縮への強い思いは、30代で50%以上、年代が上がると低くなる傾向
 ・調理時間短縮意向として「まああてはまる」を含めると全年代で60%以上
・年代別:09-10年から、
 ・30代では、調理時間短縮意向は80%以上で高いが、13-14年の90%を境に減少傾向。ただし「あてはまる」という強い思いは11-12年から継続して増加(+15pt程度)。
 ・40代では、調理時間短縮意向は80%程度と高いが、横ばい
 ・50・60代では、調理時間短縮意向が増加(50代で12pt、60代で17pt)

2 「手作りへのこだわり」の推移
・17-18年:手作りへの強いこだわりは、60代で16.5%と他年代よりやや高め
・年代別:09-10年から、
 ・30-60代では、強いこだわりが直近で減少
 ・30・50・60代では、こだわりのない主婦が増加傾向

3 「料理作りへの思い」の推移
・17-18年:料理作りに対し、ポジティブな意識は全年代で40%弱、ネガティブな意識は年代が上がると低くなる傾向
・年代別:09-10年から、
 ・30・40代では、「あてはまる」というネガティブな意識が増加傾向
 ・50代では、直近で「あてはまる」というネガティブな意識が増加傾向
 ・60代では「あてはまる」「ややあてはまる」というネガティブな意識が増加し、直近では「あてはまらない」というポジティブな意識が減少している

※「正直に言うと料理を作るのは好きではない」に、
あてはまる・まああてはまると回答:ネガティブ
あまりあてはまらない・あてはまらないと回答:ポジティブ ととらえた

調査概要


■実施期間:各回とも夏・秋・冬・春の4季節、各14日間
■調査地域:首都圏30km圏
■調査対象:夫婦2人以上の世帯の主婦(20~79歳)
■世帯数:1000世帯(各季節250世帯)
■調査方法:郵送によるアンケート調査
※MRSメニューセンサス1978-79年調査から2017-18年調査(夕食)の結果をもとに分析

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[クリナップ]
 マイページ TOP