昭和世代と平成世代の「食」習慣に関する調査(東京近郊の 20代・40代・60代の男女対象) 

2019年04月24日

農林中央金庫は、東京近郊の 20代・40代・60代の男女 400人に聞く昭和世代と平成世代の「食」習慣に関する調査を実施。
農林中央金庫では、「世代をつなぐ食 その実態と意識」(2004年)から、各世代を対象に食に関する調査を継続して実施しています。平成が最後を迎え元号が変わる節目となる今年は、20代(平成生まれ世代)、40代(一部昭和の団塊ジュニア含む)、60代(一部昭和の団塊世代含む)、それぞれの食に対する意識の違いを探り、世代間の食生活がどのように異なるかを比較することを目的に調査を実施しました。調査対象は、首都圏に居住する20代、40代、60代の400人、調査期間は2019年3月16日から3月24日までです。

調査結果サマリー


I.食生活の実態
  • 朝食は20代男性が「ごはん」(72.7%)派、それ以外は「パン」派が多い
    男性60代は「パン」(71.2%)、女性は全体的に「パン」で20代は8割以上(82.3%)
  • 昼食は「家で弁当を作ってもらう」のは、40代・60代になるとほぼ男性のみ
    「自分で弁当を作っていく」のはほとんどが女性で、40代では3割超(32.8%)
  • 昼食予算は平均650.2円、最高は60代女性787.2円、最安は40代男性594.1円
  • 「ごはんとおかず(定食)」(63.2%)が、年代や性別を超えて安定した人気
    若い世代ほど「おにぎり」が好き、20代女性では6割超(62.1%)と一番人気
  • 夕食は40代男性の9割超が「家族に料理を用意してもらう」
    「自分で料理を作る」男性は15%程度、夕食を自分で作ったり手伝う頻度は「ほとんどない」が40代男性の7割以上
    女性では40代になると調理をしない人は皆無(0%)、「毎日調理をする」人が8割超
  • 40代男性の半数(50.0%)が、夕食を「ひとりで食べる」孤食派
  • 家庭料理の人気トップ3は「カレーライス」「ギョウザ」「煮物(おでん含む)」
II.食に対する意識
  • 食品を捨てることについて「もったいない」はどの性・年代でも6割〜7割程度
    特に、20代男性(73.1%)、60代女性(71.6%)が高い
  • おふくろの味が「ある」人は、20代が7割以上(72.9%)で最多
    おふくろの味 トップ3は「煮物」「味噌汁、豚汁」「カレーライス」
  • よく食べる行事食は、「年越しそば」(84.5%)と「お節・雑煮」(79.3%)が突出
    「恵方巻き」は20代(57.1%)40代(60.2%)60代(50.0%)と若い年代に定着
  • おはしを「正しく持っている」のは、60代で9割
    20代(73.7%)、40代(75.2%)は75%前後である一方、60代(90.3%)では9割に達する
III.子どもの頃の食 平成の食
  • 小学生の給食で好きだった献立 男性は1位「カレーライス」 女性1位「揚げパン」
  • 子どもの頃のご馳走は、性別年代を問わずに「寿司」がトップ
    20代・40代男性の2位「ステーキ」、20代・40代女性2位「焼き肉」
    60代男性2位「すき焼き」 60代女性2位「ちらし寿司、手巻き寿司」
  • 平成に流行った好きなスイーツ 1位「ティラミス」 20代女性のみ1位「タピオカ」
  • 平成最後の日に食べたい料理のトップ3 「寿司」「焼き肉」「ステーキ」

調査結果


Ⅰ.食生活の実態

1.週に家で「朝食」を食べる回数は?
  • 朝食を「毎日」食べる人が、20代の5割、40代では8割近く、60代では9割超
    「食べない」は20代男性(17.9%)に多いが、60代男性(1.5%)では少数派 60代は、男女差がほぼない

 家で週に何回くらい「朝ごはん」を食べているかを聞いたところ、「毎日」がほぼ4人に3人(73.5%)で多数を占めています。
 年代別では、年齢が上がるほど「毎日」の割合が高くなる傾向が非常に強く、《20 代》(50.4%)では半数程度ですが、《60代》(91.8%)では9割を超えています。
 性・年代別にみると、20代と40代では《男性》よりも《女性》の方が朝食をとる頻度はかなり高めで、最も低い《20 代男性》では「毎日」(41.8%)の割合は4割程度にすぎず、「食べない」(17.9%)も一定数います。<60代>では、男女とも「毎日」の割合が9割を超え、ほとんど差はみられなくなっています。

2.「朝食」に何を食べる?
  • 男性では20代に「ごはん」(72.7%)派が多く、60代に「パン」(71.2%)派が多い
  • 女性は全体的に「パン」派が多く、20代では8割以上が「パン」(82.3%)

 普段、朝食に何を食べているかを複数回答で聞いたところ、「パン」(72.4%)か「ごはん」(58.7%)を食べる人が多数を占めています。次いで、「コーヒー・紅茶」(51.7%)、「卵料理」(51.5%)、「牛乳・ヨーグルト」(43.7%)と続きます。
 年代別に見ると、「ごはん」は20代(65.8%)、40代(59.5%)、60代(51.5%)と若い世代ほど「ごはん」を食べる人が多くなっています。「パン」は20代(74.4%)、40代(68.3%)、60代(74.6%)と全ての世代で7割前後でした。
 性・年代別で見ると、20代と40代の男性では「ごはん」(20代72.7%、40代64.5%)が「パン」(同65.5%、61.3%)より多いのに対し、60代男性では「パン」(71.2%)が「ごはん」(53.0%)を 20 ポイント近く上回っており、上の世代ほど洋食派が増える傾向です。

3.平日の「昼食」をどのように用意したり購入したりする?
  • 「自宅で食べる」は20代男性(22.4%)に比べ60代女性(86.6%)は約4倍
  • 「家で弁当を作ってもらう」は、40代や60代ではほぼ男性のみ
  • 「自分で弁当を作っていく」のはほとんどが女性で、40代では3割超(32.8%)
    60代では、男性(9.0%)、女性(11.9%)と、男女差が小さくなる

 平日の「昼食」をどのように用意したり、購入したりしているかを複数回答で聞いたところ、「自宅で食べる」が全体の半数近く(46.8%)に達します。
 年代別では、「自宅で食べる」のは 60 代(67.9%)が多く、20 代(33.8%)と比べると倍以上の開きが見られます。性・年代別では、20代男性(22.4%)と60代女性(86.6%)で約4倍の差があります。
 それに対して、「パン、おにぎり、ファストフードなどを買う」は、20代では約半数(49.6%)を占めますが、60代では2割程度(22.4%)にとどまっています。
 「家で弁当を作ってもらう」は、20代では男性(25.4%)と女性(18.2%)で差はそれほどありませんが、40代は男性(25.8%)と4人に1人が作ってもらっているのに対し女性(1.5%)は大幅に減っています。60代では男性(11.9%)も他の世代より半減し、女性(0%)では皆無となります。
 「自分で弁当を作っていく」人は、女性では、20代(15.2%)、40代(32.8%)、60 代(11.9%)と、40代が一番多く、男性は、20代(3.0%)、40代(3.0%)、60代(9.0%)と全世代を通し少数派でした。

4.「昼食」の平均予算は?
  • 昼食の予算は平均650.2円
  • 最高は60代女性787.2円、最安は40代男性594.1円
  • 20代(610.0円)、40代(615.1円)、60代(745.6円)と、年代と共に予算もアップ

 飲食店や買って食べる「昼食」の平均的な予算を聞いたところ、全体の平均は 650.2 円で、最多価格帯は「600〜800円未満」(31.3%)でした。
 年代別では、20代(610.0円)、40代(615.1円)、60代(745.6円)と、年齢を重ねるほどに予算も高額化する傾向です。
 性・年代別では、全年代で女性のほうが高く、最も高いのは 60 代女性(787.2 円)で、最も安いのが40代男性(594.1円)ですが、その差は約200円とかなり大きくなっています。

5.平日の「昼食」でよく食べるものは?
  • 「ごはんとおかず(定食)」(63.2%)が、年代や性別を超えて安定した人気
  • 若い世代ほど「おにぎり」が好きで、20代女性では6割超(62.1%)と一番人気
    男性が好きなのは「ラーメン」と「どんぶり物」、各年代で女性を大きく上回る

 平日の「昼食」でよく食べるものを聞いたところ、最も多いのが「ごはんとおかず(定食)」(63.2%)で、どの性・年代でも6割〜7割前後でした。 年代別でみると「おにぎり」は、20代(47.0%)、40代(39.8%)、60代(30.6%)と若い人ほど食べている人が多く、特に女性に人気が高いのが特徴で、20代女性では6 割超(62.1%)、40代女性でも5割弱(47.8%)を占めています。「パン・サンドイッチ」も20代女性(50.0%)、40代女性(56.7%)の半数程度が食べていました。 それに対し、男性に人気があるのが「ラーメン」と「どんぶり物」で、世代を問わずに女性を大きく上回る支持を集めています。

6.平日の「夕食」をどのように用意したり購入したりする?誰と食べる?
  • 「家族に料理を用意してもらう」は、40代男性は9割以上、40代女性は1割以下
  • 「自分で料理を作る」男性は、どの年代も15%程度
  • 夕食を「ひとりで食べる」40代男性では半数(50.0%)

 平日の「夕食」をどのように用意したり、購入したりしているかを複数回答で聞いたところ、「家族に料理を用意してもらう」(56.8%)が過半数を占め、次いで「自分で料理を作る」(49.0%)も半数近くで、夕食は自宅派が多いことが分かります。
 年代別では、《20代》では「家族に料理を用意してもらう」(69.9%)が最も多く、次いで「飲食店に行く」(49.6%)が続いていますが、《40代》《60代》では「自分で料理を作る」(順に54.9%、57.5%)の方が「家族に料理を用意してもらう」(同 50.4%、50.0%)よりも多くなっています。《40代》と《60代》はほぼ同様の傾向ですが、《20代》とは大きな隔たりがあります。
 性・年代別では、<20 代>では男女とも「家族に料理を用意してもらう」が最も多くなっていますが、《男性》(76.1%)の方が《女性》(63.6%)よりもさらに高率です。<40代><60代>では《女性》は「自分で料理を作る」(順に98.5%、97.0%)が100%に近い割合となっており、《男性》(順に10.6%、17.9%)との差が目立ちます。
 一緒に「夕食」を食べる人を聞いたところ(複数回答)、20代(76.3%)、40代(82.7%)、60代(87.3%)と「家族」が最も多く、40代女性はほぼ全員(98.5%)でした。一方、「ひとりで」食べるのは男性に多く、特に40代男性では半数(50.0%)に達しています。

7.家で食べる「夕食」を自分で作ったり、調理を手伝う頻度は?
  • 調理することが「ほとんどない」が40代男性7割超、40代女性は皆無(0%)
  • 「毎日調理をする」人は60代女性(83.6%)、40代女性(80.6%)で8割超

 家で食べる「夕食」を自分で作ったり、調理を手伝う頻度を聞いたところ、「ほとんどない」のはどの年代も圧倒的に男性に多く、40代男性では7割(71.2%)を超え、次いで20代男性(67.7%)、60代男性(59.7%)と続きます。「ほとんどない」女性は20代では4割近く(37.9%)ですが、60代(1.5%)、40代では皆無(0%)で、大きな差が見られます。
 「毎日」調理をする人も、男性では20代(1.5%)、40代(1.5%)、60代(9.0%)と少数派ですが、女性では20代(24.2%)から、40代(80.6%)、60代(83.6%)と急増しており、40代以上では8割以上が、ほぼ毎日のように調理をしていることが分かります。

8.家庭の食事で、好きな料理・おかずは何?(自由回答)
  • トップ3は「カレーライス」「ギョウザ」「煮物(おでん含む)」
  • 20代1位 男女共に「カレーライス」が突出
  • 40代1位 男性「焼き肉、ステーキ」 女性「ハンバーグ」
  • 60代1位 男性「刺身」 女性「煮物」

 家庭の食事で、「好きな料理・おかず」を自由に回答してもらいました。全体の1位は「カレーライス」(24.0%)で、以下「ギョウザ」(19.0%)、「煮物(おでん含む)」(18.5%)、「唐揚げ」(15.5%)の順となっていますが、性や年代によってかなり嗜好に違いが見られます。
 「カレーライス」は、20代では男女共に1位である上、40代では男性3位、女性5位、60代でも男性2位、女性4位と、年齢や性別を問わずに人気の高いメニューです。 「ギョウザ」(20代女性2位、40代女性2位、60代女性3位)と「煮物(おでんを含む)」(60代女性1位、20代女性3位)は、特に女性に人気が高く、トップ3入りを果たしました。
 「焼き肉、ステーキ」は、40 代男性 1位など、年代を問わず男性には人気が高いのですが、女性にはそれほど人気がありません。「ハンバーグ」は、40代では女性1位、男性2位と圧倒的な人気なのですが、その他の世代では20代男性の3位が目を引く程度です。

9.嫌いな食べ物は何?(自由回答)
  • 嫌いな食べ物 トップ3は「パクチー」「セロリ」「生魚、刺身」
  • 20代1位 男性「トマト/魚」 女性「パクチー」
  • 40代1位 男性「トマト/セロリ」 女性「生魚、刺身」
  • 60代1位 男性「納豆/酢の物」 女性「生魚、刺身」ただし、「嫌いなものはない」が 4割以上(44.8%)

 嫌いな食べ物としては、「パクチー」「セロリ」「生魚、刺身」などが挙がっていますが、いずれも平均すると5%程度で、あまり好き嫌いがないことが分かります。目を引くのは、女性の20代(12.1%)と40代(7.5%)に「パクチー」が、女性の40代(9.0%)と60代(7.5%)の女性に「生魚、刺身」が、好きではない人が意外に多いことです。

II.食事の実態と意識

1.食事を残すことがある?
  • 20代女性(51.5%)の過半数が、食事を“残す”ことがあると回答
  • 「いつも残す」人は、女性でも20代(4.5%)、40代(1.5%)、60代(1.5%)と少数派

 食事を残すことがあるかどうかをみると、「いつも残す」(1.3%)という人はほとんどいませんが、「時々残す」(32.0%)を合わせると、“残す”(33.3%)という人は3人に1人程度みられます。
 性・年代別にみると、いずれの年代でも男性より女性の方が残すことが多くなっていますが、<60代>ではその差は小さくなっています。最も差が大きいのは<20代>で、《男性》(23.9%)と《女性》(51.5%)の差は30ポイント近くに達しています。

2.食品を捨てないために、どのような工夫をしている?
  • 「賞味期限・消費期限の短い食品から使用する」「冷凍保存を活用する」が多数派
  • 総じて男性より女性で年齢を重ねるほど、工夫をしている人が増える傾向
    「食材を買い過ぎない」は、60代女性では6割超(62.7%)

 食品を捨てないために、どのような工夫をしているかを複数回答で聞いたところ、性別や年代を問わずに「賞味期限・消費期限の短い食品から使用する」「冷凍保存を活用する」「食材を買い過ぎない」などの工夫をしている人が多く、その割合はほぼ全ての項目で女性が男性を上回り、同時に年齢が上がるほど増加していく傾向が見られます。
 特に「食材を買い過ぎない」ように注意している人は、60代女性(62.7%)では6割以上に上ります。60代全体(53.7%)でも半数を超えています。

3.食品を捨てることについて、どのように感じている?
  • 1位「もったいない」(66.8%)、2位「作った人に申し訳ない」(48.8%)
  • 食品を捨てることは、20代男性の7割超が「もったいない」(73.1%)と感じている

 食品を捨てることについて、どのように感じているかを複数回答で聞いたところ、最も回答が多かったのは「もったいない」(66.8%)で、次いで多かったは「作った人に申し訳ない」(48.8%)でした。
 性・年代別では、「もったいない」は、男性は20代(73.1%)、同40代(66.7%)、同60 代(62.7%)と若い男性の意識が高いのに対し、女性は 20 代(66.7%)、同 40 代(59.7%)、同60代(71.6%)と60代が最も多くなっています。
 また、「作った人に申し訳ない」でも、20代(男性53.7%、女性53.0%)、40代(男性54.5%、女性52.2%)、60代(男性41.8%、女性37.3%)と、全ての年代で男性が女性を上回っています。

4.「食の安全」に関心がある? 実行していることは?
  • 「食の安全」に“関心がある”人は、20代でも7割以上、60代では9割に達する
  • 老若男女を問わず、「新鮮な食材」「消費期限・賞味期限」に注意する人が多い
  • 「なるべく手作りする」は男女差が大きく、各世代で女性のほうが倍以上も多い
  • 年齢が高くなるほど、なるべく国産や地元産の食材を利用する傾向が強くなる

 「食の安全」にどの程度関心があるかを聞いたところ、「とても関心がある」と「まあ関心がある」を合わせた“関心がある”人は、20代でも7割以上(73.7%)いて、60代では9割(90.3%)に達しており、年代を問わず「食の安全」には高い関心を示しています。
 「安全な食」のために実行していることでは、老若男女を問わずに「なるべく新鮮そうなものを購入する」と「消費期限・賞味期限の表示をよく見る」ことを挙げる人が多く、新鮮な食材の購入に注意している人が多いことが分かります。
 「なるべく手作りする」は、男女差が大きく、男性では20代(10.4%)、40代(34.8%)、60 代(34.3%)ですが、女性では 20代(37.9%)、40 代(80.6%)、60代(77.6%)と各世代で倍以上の開きが見られます。
 「なるべく国産のものを利用する(なるべく輸入食品は利用しない)」は、年代差が大きいのが特徴で、20代では2割(21.8%)ですが、40代(51.1%)と60代(63.4%)では過半数を上回っています。
 「国産品では地元産のものを利用する」も年代差が大きく、20代(5.3%)や40代(8.3%)は1割未満ですが、60代では2割超(21.6%)に達します。

5.「おふくろの味」がある? そのメニューは何?
  • おふくろの味が「ある」人は、20代が7割以上(72.9%)で最多
  • 性・年代別では、「ある」最多は60代女性(77.6%)、男性は20代が7割(68.7%)で突出
  • おふくろの味 トップ3は「煮物」「味噌汁、豚汁」「カレーライス」

 「おふくろの味」が「ある」と答えた人は、20代(72.9%)のほうが、40代(61.7%)や60代(68.7%)より多くなっています。
 女性では20代(77.3%)、40代(73.1%)、60代(77.6%)と年代ごとの差はほとんどありませんが、男性では20代(68.7%)、40代(50.0%)、60代(59.7%)と男性20代と男性 40 代では 20 ポイント近い差があります。最も「ある」が多かったのは 60 代女性で、最も「ない」が多かったのは男女ともに40代でした。
 「ある」と答えた人に、その味とはどんな料理か自由に回答してもらいました。全体の1位は「煮物」で、男女を問わず全ての年代で上位に入っています。2位の「味噌汁、豚汁」は、全年代の男性と20代女性が多く挙げました。
 男性が年代に関係なくほぼ同じメニューを挙げているのに対し、女性は20代「卵焼き」、40代「漬物」、60代「炊き込みご飯、混ぜご飯」など、年代ごとに「おふくろの味」にかなり違いが見られます。

6.郷土料理や行事食に関心がある? よく食べる「行事食」は?
  • 郷土料理に“関心がある”人、60代では7割超(74.6%)で年齢を重ねるほど増加
  • 全性・年代で女性のほうが多く、特に60代女性では9割近く(85.1%)に達する
  • よく食べる行事食、「年越しそば」(84.5%)、「お節・雑煮」(79.3%)
  • 「恵方巻き」は、20代(57.1%)が40代(60.2%)、60代(50.0%)と若い世代に定着
    60代は「土用のうなぎ」が好き、20代(31.6%)と60代(62.7%)で二倍の差

 郷土料理や行事食(お節料理や節句、お盆の料理)にどの程度関心があるかを聞いたところ、「とても関心がある」と「まあ関心がある」を合わせた“関心がある”人は、20代(49.6%)、40代(53.3%)、60代(74.6%)と、年齢を重ねることに増えています。
 性別では、全ての年代で女性のほうが“関心がある”人が多く、特に60代女性では9割近く(85.1%)に達しています。
 よく食べる「行事食」は何かを聞きました(複数回答)。最多は「年越しそば」(84.5%)で、次いで「お節・雑煮」(79.3%)、「恵方巻き」(55.8%)、「土用のうなぎ」(44.8%)の順でした。
 ほとんどの「行事食」は、20代や40代より、60代のほうが食べる人が多くなっていますが、「恵方巻き」(55.8%)は例外で、男性では20代(55.2%)が40代(51.5%)、60代(47.8%)よりも多く、女性では20代(59.1%)と40代(68.7%)が60代(52.2%)よりも多く食べており、若い世代に好まれるメニューと言えそうです。それに対し、60 代に好まれるメニューの代表が「土用のうなぎ」で、20代(31.6%)や40代(39.8%)より、60代(62.7%)が20ポイント以上多くなっています。

7.おはしを正しく持っている?
  • 「正しく持っている」のは、20代(73.7%)、40代(75.2%)で4人に3人程度だが、60代では9割に達する

 『おはし』を正しく持っているか、イラストを参照して自己判断してもらいました。その結果、「正しく持っている」という人はほぼ8割(79.8%)でした。
 年代別にみると、20代(73.7%)、40代(75.2%)では「正しく持っている」のは75%前後ですが、60代(90.3%)では9割に達しており、《20代》《40代》とは大きな差があります。

III.子どもの頃の食 平成の食

1.小学生時代の給食で好きだった料理、おかずは何?
  • トップ3は「揚げパン」「カレーライス」「ソフト麺」
  • 男性は全ての年代で1位「カレーライス」
  • 女性は全ての年代で1位「揚げパン」

 小学生時代の給食で好きだった料理、おかずは何かを自由回答形式で聞いたところ、1位「揚げパン」(30.0%)、2位「カレーライス」(27.0%)が圧倒的に多く、3位「ソフト麺」(8.5%)以下は1割未満で大きく引き離されています。
 男性は年代に関係なく「カレーライス」が1位で、「揚げパン」が2位(60代は3位)なのに対し、女性では年代に関係なく1位が「揚げパン」、2位が「カレーライス」でした。 「くじら肉、くじらの竜田揚げ」は、60代男性では2位など、40代〜60代では人気のメニューです。全体として、性別年代を問わずにあまり大きな嗜好差が見られず、小学生時代の好みはいつの時代もあまり変わらないことが分かります。

2.子どもの頃、あなたにとってのご馳走は何だった?
  • トップ3は「寿司」「ステーキ」「焼肉」
  • 性別年代問わず1位は「寿司」
  • 20代と40代はほぼ同じ傾向

 子どもの頃、あなたにとっての「ご馳走」は何だったかを聞きました。自由回答形式にも関わらず、1 位は男女年代を問わずに人気が高い「寿司」(22.3%)で、2 位以下の「ステーキ」(12.8%)、「焼肉」(12.0%)などとは約10ポイントも差が開いています。  男性の20代と40代は1位「寿司」2位「ステーキ」3位「ハンバーグ」と同じ、女性の20代と40代も1位「寿司」2位「焼き肉」3位「ハンバーグ」と同じで、男女の嗜好もかなり似ています。それに対し60代は、男女共に「すき焼き」や「カレーライス」が好きです。

3.平成に流行ったスイーツで好きなものは?
  • 一番人気は「ティラミス」(47.5%)で半数近く
  • 20代女性(74.2%)では「タピオカ」が7割超

 平成に流行ったと言われるスイーツで、何が好きかを聞きました(複数回答)。 全体トップは「ティラミス」(47.5%)で、以下「パンケーキ」(42.5%)、「ラスク」(37.8%)、「フレンチトースト」(37.8%)、「タピオカ」(36.3%)、「ナタデココ」(36.0%)などが上位に挙げられました。
 1位の「ティラミス」は、20代の男性(52.2%)、40代の男性(48.5%)と女性(61.2%)、60代の男性(29.9%)と女性(47.8%)と20代女性以外でトップと安定した人気ぶりを示しました。
 全体では5位ながら20代では1位となった「タピオカ」(55.6%)は、20代女性(74.2%)の人気が突出しています。20代女性のスイーツの好みは他の世代とかなり異なっており、2位以下も「パンケーキ」(68.2%)、「マカロン」(51.5%)、「ナタデココ」(48.5%)、「ベルギーワッフル」(48.5%)など、どの年代の男女とも異なる嗜好性を示しています。

4.“平成最後の日”に何を食べたい?
  • トップ3は「寿司」「焼き肉」「ステーキ」、「寿司」は性・年代を問わずNO.1
  • 「焼き肉」は20代、40代男女で2位、「ステーキ」は60代男女で2位

 “平成最後の日”に何を食べたいか、自由に答えてもらいました。1位は男女年代を問わず「寿司」(18.5%)、全体2位の「焼き肉」(10.5%)は20代と40代では性別を問わずに2位でした。全体3位の「ステーキ」は、60代では男女ともに2位でした(男性は同率首位)。
 5位の「刺身」は、60代では男女共に3位でしたが、20代と40代ではランクインしておらず、60代に人気のメニューと言えます。
 20代と40代は男女ともに1位「寿司」2位「焼き肉」で、60代の男女は1位「寿司」2位「ステーキ」で、意見が一致しています。平成最後の夜は、お寿司さん、焼き肉屋さん、ステーキハウスなどが繁盛するのかもしれません。

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[農林中央金庫]
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