「プチ贅沢」に関する調査(20歳以上の男女対象) 

2016年12月22日
アサヒグループホールディングスの、アサヒグループホールディングス生活者未来研究部門は、全国の20歳以上の男女を対象に、「プチ贅沢」をテーマに調査を実施。

【調査結果サマリー】

・「家族」への出費なら惜しまず出せる!-子どもにはひもじい思いをさせたくない

・年代と共に「自分」「他人」から「家族」への出資を重視する

・8割以上が「(自分への)プチ贅沢をしている」-特に女性回答に目立つ

・「月1回以上」の頻度でプチ贅沢を実行-中には「一日一ご褒美」という声も

・「ストレス」「疲労」が蓄積したら、プチ贅沢をして心身を一旦リセットする

・「週末」「誕生日」「クリスマス」は、プチ贅沢でハッピー気分を上乗せする

・「高級食材を肴に一杯やる」、男性にとっての一番のプチ贅沢なひととき

・「デザート」「ファッション」でテンションアップ! 日ごろの我慢を一気に晴らす

・約9割が「プチ贅沢が必要」と回答-我慢ばかりじゃ身が持たない


【調査結果】

「家族」への出費なら惜しまず出せる!-子どもにはひもじい思いをさせたくない

まず、「出費」に対する皆さんの考えを見ていきたいと思います。仮に皆さんがお金を出す場合、「自分」「家族」「他人(友人、同僚など)」の中で、誰に対してなら比較的に惜しまずにお金を使うことが出来るのでしょうか。「家族の為に働いているので、家族のためになる出費なら惜しまず、また明日から仕事頑張ろうと励みになる」(女性30代、静岡県)など、「家族」と回答した人が最も多く62.3%。自由回答の中には「子どもには、貧乏やひもじい思いをさせたくないので」(女性50代、三重県)など、子どもへ食費や教育費を最優先にするという人が目立ちました。

2位は「自分」(31.6%)。「自分への出資は投資だから」(男性40代、三重県)、「自分を大切に綺麗でいたら、周りの人たちも幸せに出来るから」(女性60代、大阪府)など、自分磨きは、結果的に家族や他人にも良い影響を与えるというポジティブな声。さらに「もうすぐ還暦。(今まで)家族のため十分我慢して生活してきました。 余生は(自分に対して)贅沢をしても罰は当たらないと思う」(女性50代、兵庫県)など、頑張ってきた自分への「ご褒美」として出費を惜しまないという人もいました。

年代と共に「自分」「他人」から「家族」への出資を重視する

特に「自分」(20代=37.5%、30代=27.8%)という声は未婚者の多い20代に目立ち、30代以上で減少。同じく「自分は後回しにできるけれど、他人に関する出費(交際費)は後回しにできず、ケチることもできない」(女性40代、兵庫県)など、「他人」という声も20~40代で6~8%台を推移していましたが、60代以上のシニア層では2%台まで落ち込み、年代とともに「自分」「他人」から「家族」への出費にシフトする傾向が見られました。お金の出費に対する考え方も、現役世代とリタイア世代では大きく異なることがうかがえます。

8割以上が「(自分への)プチ贅沢をしている」-特に女性回答に目立つ

「自分への出費は後回し」という声が目立ちましたが、では日ごろの生活の中で、自分に対して「プチ贅沢」をしているという人はどの位いるのでしょうか。「嫌な事があると欲しかった物や、日ごろ食べられないものを食べて贅沢する」(男性40代、大分県)など、「よく『プチ贅沢』をする」と回答した人は僅か8.8%。さらに頻度は多くないものの、「ときどき『プチ贅沢』をする」という声は73.4%にも上り、全体の8割以上の人びとが「プチ贅沢をしている」ことが明らかとなりました。一見、「自分の出費は後回し」という声とは矛盾しますが、家計に影響のない、手の届く範囲内で贅沢を楽しんでいる人がきっと多いのでしょう。性別で「(プチ贅沢を)よくする」「ときどきする」という声を見てみると、男性回答は73.9%。一方、女性回答では男性よりも15%以上高い89.3%を数え、日ごろの生活の中に「プチ贅沢」を取り入れている女性がとても多いようです。

過去に実施した同調査によれば、「よく『プチ贅沢』をする」「ときどき『プチ贅沢』をする」(2016年=82.2%、2015年=83.9%、2014年=83.8%、2013年=81.5%、2012年=75.3%)という声は、東日本大震災翌年の2012年以降から徐々に増加し、昨年は83.9%と高い数値を示しました。今年は昨年、一昨年より数値はややダウンしているものの、概ねプチ贅沢に対する消費マインドは変わっていないものと考えられます。節約・倹約モードが長引く中、日常生活の中で上手に「プチ贅沢」を取り入れ、毎日に小さな彩りを与えているのかもしれません。

「月1回以上」の頻度でプチ贅沢を実行-中には「一日一ご褒美」という声も

8割以上の人びとが「プチ贅沢」に肯定的でしたが、では具体的な頻度はいかがでしょうか。 「週末、仕事や家事、子育てに一週間頑張ったご褒美として」(女性40代、愛知県)など、「週1回以上」と回答した人は33.7%。さらに「月2~3回」(20.3%)、「月1回程度」(28.8%)が続き、全体の8割以上の人びとが「(少なくとも)月1回以上」の頻度で、「プチ贅沢」を実行していることが明らかとなりました。毎月のお給料の中で、ささやかながら手に届く範囲の贅沢を楽しむ人が多いことがうかがえます。また、自由回答の中には「ほぼ毎日のようにプチ贅沢をしている。好きな物やちょっと高級な商品を購入して、一日のご褒美として楽しむ。明日への活力になる」(女性30代、山口県)など、「ほぼ毎日」(2.6%)と頻繁にプチ贅沢をしている人もいました。

「ストレス」「疲労」が蓄積したら、プチ贅沢をして心身を一旦リセットする

「月1回以上」のペースで「プチ贅沢」をする人が目立ちましたが、そのタイミングやシーンを具体的に見ていきましょう。最も回答が多かったのは「ストレス、イライラが溜まっている時に」(37.1%)でした。「(プチ贅沢をすると)ストレス発散になり、気持ちがスッキリして幸せを感じる」(女性20代、兵庫県)など、仕事や家事、育児でイライラが募ったときのはけ口として、「プチ贅沢」を活用するという声。さらに「のんびりできると、疲れて窮屈になっていた気持ちが安らぐ」(女性30代、静岡県)など、5位にも「疲れが溜まり、何をするにも面倒な時に」(29.8%)が続き、ストレスや疲労など、自分のカラダに注意信号が点滅し始めたときに、プチ贅沢を行う人もいました。ストレス社会といわれて久しい現代社会の中で、疲弊した心身をリセットして潤す役割を担っていることがうかがえます。

どんな時に「プチ贅沢」をする?
1 ストレス、イライラが溜まっている時に    37.1%
2 週末や休前日など、気持ちに余裕のある時に    33.3%
3 家族の誕生日に    32.4%
4 楽しいこと、嬉しい事があった時に    31.4%
5 疲れが溜まり、何をするにも面倒な時に    29.8%
6 家族行事やイベント(クリスマス、母の日など)の時に    28.4%
7 自分の誕生日に    25.7%
8 特に理由はないけど、そんな気持ちになった時(衝動的)に    24.2%
9 給料・ボーナスが入った時に    23.9%
10 結婚記念日に    17.6%
MA(複数回答)/n=1250人

「週末」「誕生日」「クリスマス」は、プチ贅沢でハッピー気分を上乗せする

2位は「週末や休前日など、気持ちに余裕のある時に」(33.3%)。「毎週金曜日にお刺身を購入する。お刺身とお酒でとてもハッピーな気分になる」(男性30代、大阪府)など、一週間の終わりにプチ贅沢で緊張を緩和するという声。「プチ贅沢」が平日と休日、ビジネスとプライベートのオンオフを切り替えるスイッチの役割を担っていることがうかがえます。続いて、「家族の誕生日は、100g 1000円以上のお肉で贅沢をする」(女性40代、愛知県)など、3位は「家族の誕生日に」(32.4%)。さらに7位に「家族行事やイベント(クリスマス、母の日など)の時に」(28.4%)、6位に「自分の誕生日に」(25.7%)、10位にも「結婚記念日に」(17.6%)が挙げられ、家族のお祝いや年中行事のときは財布の紐を緩め、ハッピーな気分を上乗せするという声が目立ちました。

「高級食材を肴に一杯やる」、男性にとっての一番のプチ贅沢なひととき

次に皆さんが実践する「プチ贅沢」を具体的に見ていきましょう。男性回答で最も多かったのは「外食(高級ランチ、飲み会など)」(男性=45.5%、女性=44.9%)でした。「居酒屋でお腹いっぱい値段を気にせず食べる」(男性40代、静岡県)など、外食で気晴らしするという声。さらに「高い肉類、海鮮類を食べて楽しく過ごす」(男性40代、岡山県)など、3位にも「食品・生鮮食料品(米、野菜、肉、調味料など)」(男性=38.6%、女性=32.4%)が続き、「外食」「高級食材」など、豪勢な食事で胃と心を満たすという男性が目立ちました。

男性:どんな「プチ贅沢」をする?
1 外食(高級ランチ、飲み会など)    45.5%
2 お酒(プレミアムビール、ワインなど)    42.9%
3 食品・生鮮食料品(米、野菜、肉、調味料など)    38.6%
4 お菓子・デザート(ケーキ、チョコレートなど)    37.2%
5 旅行・レジャー関連(ホテル・温泉・遊園地・キャンプなど)    18.5%
MA(複数回答)/n=503人

「外食」「高級食材」と同じく、男性回答に多かったのは「お酒(プレミアムビール、ワインなど)」(男性=42.9%、女性=34.7%)。「毎週末にプレミアムビールを飲み、高級食材の料理をご褒美に食べている」(男性40代、岐阜県)など、高級食材を肴に一杯やるのが、男性にとっての一番のプチ贅沢な時間と言えそうです。

「デザート」「ファッション」でテンションアップ! 日ごろの我慢を一気に晴らす

男性回答に「外食」「高級食材」「お酒」が目立った一方、女性回答の断然トップは「お菓子・デザート(ケーキ、チョコレートなど)」(男性=37.2%、女性=64.5%)でした。「デパ地下でスイーツを買う」(女性40代、大阪府)、「いつもなら高くて買わないケーキを買う」(女性40代、愛知県)など、いつもはぐっと我慢する、リッチなデザートを奮発するという声。女性にとってのプチ贅沢とは財布の紐を緩めるとともに、「カロリーを気にせず食べる日」とも言えるかもしれません。

女性:どんな「プチ贅沢」をする?
1 お菓子・デザート(ケーキ、チョコレートなど)    64.5%
2 外食(高級ランチ、飲み会など)    44.9%
3 お酒(プレミアムビール、ワインなど)    34.7%
4 食品・生鮮食料品(米、野菜、肉、調味料など)    32.4%
5 ファッション関連(洋服・靴・ジュエリーなど)    19.1%
MA(複数回答)/n=744人

ランキング上位には「デザート」「グルメ」が占めましたが、飲食以外で多かったのは5位「ファッション関連(洋服、靴、ジュエリーなど)」(男性=8.3%、女性=19.1%)。「ちょっと高めの服や靴を買う」(女性40代、兵庫県)など、きれいな洋服や靴を買い求め、テンションアップを図るという声も多く、日ごろ溜まったストレスや鬱憤をファッションで晴らすという女性もいました。男性が「胃袋を満たす贅沢」を求める一方で、女性はどちらかといえば、イメージや雰囲気など「心を満たす贅沢」を重視していることがうかがえます。

そのほか、男女とともに多かったのは「旅行・レジャー関連(ホテル、温泉、遊園地、キャンプなど)」(全体=18.8%、男性=18.5%、女性=19.0%)。「近くの温泉に一泊二日旅行に行く」(男性50代、大分県)、「記念日は必ずディズニーリゾートへ行く。ストレス発散になり、気持ちがスッキリして幸せを感じる」(女性20代、兵庫県)など、日常生活を脱出し、レジャーで気晴らしを図るという声。自由回答の中には「その土地の美味しいものを食べる」(女性50代、兵庫県)など、旅行やレジャーの行く先々で郷土料理や名産、銘酒との出会いが楽しみという声も多く、レジャーにおいても「グルメ」がプチ贅沢の軸になっていることがうかがえます。

約9割が「プチ贅沢が必要」と回答-我慢ばかりじゃ身が持たない

最後に皆さんの生活に「プチ贅沢」が必要なものか否かを聞いてみました。「ご褒美ないと頑張れない。子どもっぽいかもしれませんが、そういう贅沢があることで頑張れる」(男性30代、静岡県)など、「絶対必要」と回答した人は43.5%。さらに「まあまあ必要」という声も43.5%を数え、全体の9割近くの人びとが「プチ贅沢」の必要性を実感していることが明らかとなりました。自由回答の中には「日常的には節約を心がけているので、たまのプチ贅沢は気分転換のために必要」(女性40代、岐阜県)など、節約生活の中の「息抜き=プチ贅沢」という声も寄せられました。確かに我慢ばかりでは身が持たないため、適度な緩和が、節約生活を長く持続する秘訣と言えるかもしれません。

性別で「絶対必要」「まあまあ必要」という声を見てみると、男性回答では79.5%。その一方で、女性回答では男性よりも14%も高い93.5%を占めました。自由回答の中には「家族は、家事を頑張っても当たり前としか思っていないので」(女性30代、大阪府)など、外で発散できるサラリーマン男性とは異なり、平日・休日関係なく、家事に追われる主婦層にとっては「プチ贅沢=自分を労う時間」と捉えている人もいました。世代別ではいかがでしょうか。「絶対必要」という声は若い20代で最も高く66.7%を示したものの、30代で55.8%、40代で37.0%と徐々に減少。さらに60代で26.6%、70代以上では13.0%まで落ち込み、仕事や育児から手の離れるシニア世代では、若い現役世代ほど「プチ贅沢」を求めていないことがうかがえます。

その反面、「あまり必要ない」(7.6%)、「必要を感じない」(5.4%)という声も13.0%を占めました。主な理由は「1歳の子どもでいっぱいいっぱいで、贅沢の仕方も分からなくなりました」(女性20代、長崎県)、「嫁が喜ぶことだけで十分。自分への投資は必要ない」(男性50代、滋賀県)など、家族が第一優先で、自分へのプチ贅沢は一切必要ないという声。さらに自由回答の中には「一度贅沢の味を覚えてしまうと、その後の気持ちの修正が大変」(男性60代、兵庫県)など、贅沢に怖さや罪悪感を持つという人もいました。


今回は「プチ贅沢」をテーマに、皆さんの日常生活におけるプチ贅沢の必要性と、消費行動について見てきました。惜しまずに出費ができる対象を聞いてみたところ、トップは「家族」(62.3%)。次に「自分」(31.6%)が続き、圧倒的な大差で「家族」を第一優先に考えている人がとても多いことが明らかとなりました。特に子どもがいるご家庭では、子どもには不憫な思いをさせたくないため、「自分の出費を抑えてでも子どもにお金を掛けたい」という親心が垣間見られる声も目立ちました。では、「(自分に対する)プチ贅沢」はいかがでしょう。家族優先で、自分へのプチ贅沢を控えるという人がやはり多いのでしょうか。今回の調査結果によれば、「(プチ贅沢は)絶対必要」「まあまあ必要」という声は全体の9割近くを数え、「(自分に対する)プチ贅沢」を求める人が大変多いことが明らかとなりました。「自分への出費を後回しにする」という考えとは、一見矛盾するようですが、「プチ贅沢=単なる無駄使い」と思っている人はそう多くないようです。今回のアンケートを振り返ってみても、実際に節約生活を長く継続していくためには、むしろ「息抜き」「潤い」としての「プチ贅沢」が必要不可欠と考えている人が目立ちました。「緊張(=節約)」の中にも、「週末の一杯」「家事の後のケーキ」などの「緩和(=プチ贅沢)」を上手に取り入れることで、その日一日を乗り切っていく。いわば、「節約」と「プチ贅沢」はワンセットと捉えることが大事なのでしょう。もちろん、「緩和」ばかりでは元も子もありませんが、うまく「プチ贅沢」を利用することで気持ちを絶やさず、日々の生活を楽しく送っていくことが出来るのではないでしょうか。


【調査概要】
調査対象:全国の20歳以上の男女
有効回答数:1,606人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2016年11月30日~12月6日

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[アサヒグループホールディングス]
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